広島9点差大逆転負け、菊池欠場響いた「全員野球」

7回裏、江越のセーフ判定についてリプレー検証を求める緒方監督(撮影・加藤哉)

<阪神12-9広島>◇6日◇甲子園

 お家芸の大逆転をやられてしまった。広島が4月8日から守ってきた首位をついに譲り、ゲーム差なしの2位に転落した。5回表終了時点で9-0の大量リード。阪神先発福永をKOし、広島先発はエース級の岡田だ。だが油断か、スキか。5回まで1失点だった先発岡田が6回に急変し4四死球。余裕がなくなりストライクをとるのに精いっぱい。「修正出来なかった。チームに申し訳ない」とうなだれた。悠々1人旅のはずがマウンドを降り、歯車が崩れた。

 2死満塁とされ、投入された中田が3点三塁打を浴び1点差。7回にはイニングをまたいだ薮田がつかまった。前日5日には加藤が5回もたずに降板、一岡も炎上した。薮田が不調で中田への負担は大きい。誰かがイニングをまたがなければならない状況だった。それでも先発岡田を代えざるを得なかった。緒方監督は「オレの責任。野球に絶対はないにしても、今日は勝たないといけない試合だった」。9点差の逆転負けは球団史上ワーストタイ。声をからしたファンの期待に応えられなかった。

 史上まれに見る逆転負け。コンディション不良で欠場した菊池の存在の大きさが際立つ。二塁の西川は守備でミス。2番の安部も「いかに菊池が自分を殺してチーム打撃をしているかが分かった」と言った。それでも全員野球が広島の武器に変わりはない。「明日も試合がある」と緒方監督。流れを変える試合をつくりたい。12失点を糧に出来るか。今日7日、底力が試される。【池本泰尚】

 ▼広島は9-0から逆転負け。広島の9点差逆転負けは95年7月30日中日戦以来2度目となり、9点差以上の逆転負けを2度記録したのはオリックス(62、03年)に次いで2チーム目だ。広島は4月8日から守っていた首位の座から転落。9点差以上の逆転負けを喫したチームがその年に優勝した例は過去にないが、広島は?