巨人5発!坂本、阿部、マギー3年ぶり主軸揃い踏み

3回裏巨人1死一、二塁、右越えに5号3点本塁打を放つ坂本勇(撮影・たえ見朱実)

<巨人9-7阪神>◇10日◇東京ドーム

 巨人がド派手な5本塁打の1発攻勢で首位阪神の連勝を6で止めた。3番坂本勇人内野手(28)が3回の5号決勝3ランを含め2打席連続アーチを決めれば、4番阿部慎之助内野手(38)も1回に20試合ぶりの6号先制2ラン。5番ケーシー・マギー内野手(34)は6号ソロをズドン! 14年8月15日広島戦の坂本勇、阿部、高橋由以来となるクリーンアップの本塁打そろい踏みだ。不振の長野久義外野手(32)にも今季1号が飛び出し、今季最多の9得点で、連敗を2で止めた。

 ホームラン祭りの総仕上げは、絶好調の主将だった。5回無死。坂本勇が阪神松田の外角直球を思い切り引きつけ、はじき返した。同点の3回1死一、二塁で放った5号3ランのリプレー映像のように、打球は右翼席へ放物線を描いた。昨年4月以来、自身3度目の2打席連続弾を「(阪神戦は)他のチームとは違う雰囲気で特別なこと。いい結果を出せて良かった。いい形でボールを呼び込んで打てているかなと思う」と納得の表情で振り返った。

 5月は29打数16安打5本塁打と快音が止まらない。5本塁打中、4本が中堅から右と逆方向だ。「右(方向)にも打てるというのが相手バッテリーも嫌だと思う」と左足の上げ幅などタイミングの取り方を、相手投手やカウントで変えたことで対応力をアップ。「今年は逆方向にホームランが出ている。少しは成長している部分かなと思う」と言えば、高橋監督も「年々すごみを増している。どこにでも打てる打者かなと思いますね」と目を見張った。

 坂本勇の絶好調ぶりが、周囲に好循環を生んだ。1回2死二塁では、4番阿部が4月12日広島戦以来となる6号先制2ランを放った。坂本勇が打ち取られた直後、ひと息ついた岩貞の直球を「ボール気味だと思いますが上からしっかりたたくことができた」と強振。前日にエース菅野で黒星を喫した嫌な流れを主砲が振り払うと、面白いように巨人打線がアーチを描いた。開幕戦以来の坂本勇-阿部のアベック弾。3年ぶりにクリーンアップが本塁打そろい踏みを決め、阪神岩貞を打ち砕いた。

 前回のクリーンアップの本塁打共演を決めた「5番打者」だった高橋監督は「全然覚えていないです」と笑った。だが「クリーンアップもそうですけど前後も打てばつながって点になるんだなと」と主軸の1発が生みだす波及効果をあらためて実感し、目を細めた。

 首位阪神戦を1勝1敗で終え、明日12日からは広島と3連戦を迎える。坂本勇は「こういう試合が1試合でも多くクリーンアップでできるようにしたい」と誓った。主軸がつくった打線全体の勢いそのまま、敵地に乗り込む。【浜本卓也】

 ▼巨人は3番坂本勇2本、4番阿部、5番マギー、7番長野の5本塁打。巨人の1試合5本塁打以上は14年5月7日DeNA戦以来、3年ぶり。クリーンアップそろい踏みは14年8月15日広島戦で3番坂本、4番阿部、5番高橋由が記録して以来。阪神戦では08年9月20日に3番小笠原、4番ラミレス、5番李承■が打って以来、9年ぶりだ。坂本勇は2本とも右方向への1発。同選手のマルチ本塁打は通算6度目だが、流し打ちで1試合2本はプロ入り初めてだ。

※■は火ヘンに華