<日本ハム2-1西武>◇10日◇札幌ドーム
日本ハムの「勝利の方程式」が、がっちりはまった。10日の西武8回戦(札幌ドーム)で、救援陣による無失点リレーで接戦をものにした。1点差の7回途中から谷元圭介(32)、宮西尚生(31)がピンチをしのぎ、8回はクリス・マーティン(30)、9回は増井浩俊(32)が締めくくった。チームの最大の強みを発揮し、3連敗を阻止。対西武の連敗も「5」で止めた。
心の奥から、ほえた。「よっしゃー」。マウンドの宮西が、グラブを左手で力強くたたいた。ガッツポーズで握った手にも力がこもる。1点リードの7回2死二塁。秋山をスライダーで空振り三振に仕留め、1点も許せない状況を切り抜けた。「なんとか抑えて(先発の)加藤に勝ちをつけてあげたい。それだけだった」。救援陣の思いを口にした。
7回、好投の加藤が1死二塁のピンチを招き、勝負の継投に打って出た。まずは谷元。2球で木村文を左飛に抑え、惜しみなく宮西を投入した。左右の2投手がワンポイントできっちり電光掲示板に「0」を刻んだ。吉井投手コーチは加藤からの継投に「(抑える)確率の高い方を選択しました。よく頑張ってくれました」とたたえた。
2人の好救援で流れを引き寄せ、あとは盤石のリレーだ。8回のマーティンは右肘の張りから7日に復帰後、初の本拠地登板。「気持ち良かった」と慣れ親しんだマウンドを堪能。1イニングを3者凡退に抑え、バトンを託した。9回はリリーフで3勝を挙げている増井だ。「セーブ数を伸ばしていきたい」と本音を明かしたこともあり、リードを守ってこそ、真骨頂。5セーブ目に「1点をみんなで守りきれたので良かった」と安堵(あんど)した。
4月1日西武戦(札幌ドーム)では、谷元-宮西-増井-マーティンで今季初勝利を飾った。起用順こそ違うが、再び勝ちパターンの4投手が、気持ちをつないだ。栗山監督は「方程式はいらない。勝つために1試合、1試合必死にやっていくだけ」としつつも「ある程度方向性はできている。適材適所」と手応えを話した。登板順、投球回数は状況に応じながらも、4投手が白星への中心になる。
44年ぶりの日本一に輝いた06年をはじめ、リーグ優勝には強力な救援陣が不可欠だった。増井は「だんだんメンバーがそろい、戦える感じになっている。みんな勝つイメージは湧いている」と自信を見せた。9日まで連敗を喫したものの、5月は6勝2敗と上り調子だ。救援陣が本領発揮し、チームに力強さが増しつつある。
<主な勝利の方程式>
◆06年 セットアッパーの武田久と抑え役のマイケル中村が、久のH+ANDのA+マイケルのMから「HAM(ハム)の方程式」としてフル回転。武田久が45ホールドポイント(HP)で最優秀中継ぎ投手、マイケル中村が39セーブで最多セーブのタイトルをそれぞれ獲得。日本一に貢献した。
◆12年 栗山監督1年目は、左右のセットアッパー、宮西尚生と増井浩俊がお膳立てし、武田久が締めくくるパターンを確立し3年ぶりのリーグ制覇を達成。武田久は32セーブで2年連続3度目のセーブ王。増井が50HPで、41HPの宮西らを抑えて最優秀中継ぎ投手となった。
◆16年 シーズン途中で増井が先発に転向し、来日1年目のマーティンが新守護神を務め、21セーブを挙げた。42HPで最優秀中継ぎ投手のタイトルを初めて獲得した宮西に、多様な起用に応えた谷元も31HPで、4年ぶりのリーグ優勝に欠かせない存在だった。