レ軍GMが2軍鎌ケ谷に!大谷を電撃視察の意図

左太もも裏肉離れでリハビリ中の日本ハム大谷(手前)を視察するレンジャーズ首脳陣ら(撮影・木下大輔)

 今オフにもポスティングシステムを利用してメジャー移籍の可能性がある日本ハム大谷翔平投手(22)が11日、レンジャーズのジョン・ダニエルズGM(39)らによる「電撃視察」を受けた。左太もも裏肉離れでリハビリ中の2軍本拠地、千葉・鎌ケ谷に大リーグ球団の編成トップが来訪した。2軍施設や育成システムの視察と同時に、大谷のキャッチボールやマシン打撃の様子をチェック。実戦復帰のメドは立っていない中で異例の「大谷詣で」となった。

 2軍・鎌ケ谷のグラウンドにまで、レ軍の編成トップが現れた。午前11時前。ダニエルズGMにボイドGM補佐ら4人が、三塁側ファウルゾーンに陣取った。外野でキャッチボールをする大谷を、スマートフォンで撮影した同GMは「今、個人の選手のあれこれを言える状況ではないので」と言葉を濁した。それでも、大谷が室内練習場でマシン打撃を行えば、時間差をつけ、移動して見守った。

 ポスティングシステムでは、大リーグ球団は交渉が許されるまで選手と直接、間接に接触してはならない。表向きは日本ハムの球団施設などの視察といえるが「初めて」という鎌ケ谷訪問の目当ては、大谷に他ならない。ルール通り接触はないものの、約2時間、熱い視線を注ぎ続けた。

 大谷は、早ければ今季終了後にもメジャー移籍の可能性がある。ポスティング制度の改正協議が始まることが決定したばかり。譲渡金などが変更する可能性があるが、希望する改定点について同GMは「簡単に言えば、レンジャーズが選手を取りやすいシステムかな」と、アメリカンジョークで笑い飛ばした。「日本のレベルは高い。きっちり、1人1人見ていきたい」と、大谷の名は挙げずとも、強い興味は隠さなかった。

 同GMが日本に来るのは6年ぶりだ。前回は11年6月に来日し、日本ハムに在籍していたダルビッシュの1軍公式戦登板を視察した。自身の目で直接見て、その年のオフにダルビッシュをポスティング制度を利用して獲得した。今回は実戦復帰のメドも立たない中、リハビリに取り組む姿を、2軍施設まで赴いてチェックした。異例ともいえる行動は、大谷獲得への誠意とも受け取れる。

 大谷はレ軍の視察についての感想を問われると「特にないです」。患部の回復具合には「感じは良くなっています」と、いつも通りにリハビリメニューを消化した。「電撃視察」を終えた同GMは、言った。「(日本ハムは)とてもリスペクトしている球団。特に、世界でも知られる二刀流の選手も育成し、ここまでの選手になってきている」。コメントも行動も慎重。だが、鎌ケ谷訪問こそ、大胆なアピールだ。【木下大輔】