ムネリン「知らなかった」日米通算1500安打

3回裏ソフトバンク無死、川崎は中前打を放ち日米通算1500安打を達成しファンの声援に応える(撮影・栗木一考)

<ソフトバンク7-0オリックス>◇11日◇ヤフオクドーム

 ソフトバンク川崎宗則内野手(35)が3回にこの日2本目の安打を放ち日米通算1500安打をマークした。5回にも安打を放ち11年10月13日日本ハム戦以来の猛打賞。打線もつられるように爆発し12安打7得点で今季3度目の4連勝。貯金を最多の9にした。川崎が1軍に加わった4月28日オリックス戦からチームは10勝2敗。ムネリン効果に乗って明日13日から首位楽天と2連戦に挑む。

 打球が中前へしぶとく抜けていった。3回だ。川崎の、日米通算1500安打だった。祝福の場内アナウンスが流れると、一塁上で右手を挙げた。「(1500安打とは)知らなかった。ああ、ジャパニーズスタイルで」と、あわててヘルメットを取って、改めて左手を高く挙げた。

 この日は1番二塁でスタメン出場。1回に初球を左翼線に二塁打。5回にも左前安打を放ち、今季初の猛打賞。通算117回はホークスOBの佐々木、ブーマーに並んだ。「35歳になると疲れは取れないよね」と話すように、この日も8回の守りから本多と交代。まだフル出場もなく前日10日のように完全な休養日も入れながらの起用が続く。

 ベンチでは出しっぱなしの声が、チームを動かす。工藤監督は「ほかの選手も声を出すようになった。非常にいいなと思います」と、川崎加入でチームの雰囲気が変わったと話す。4月28日に川崎は1軍復帰した。その前日までは23試合で12勝11敗だったが、復帰後は12試合で10勝2敗と大幅に貯金をつくっている。

 ドーム球場のナイトゲームでも、川崎は目の下を黒く塗る。アイブラックというまぶしさ防止のためのものだ。「ドーム球場はまぶしいからね。照り返しも強いし、メジャーリーガーも最近はナイターでもしている。自分で描いてますよ。みんな習字で使ったことあるあの墨ですよ」。汗をかいた試合終盤は頬にたれていることも多い。

 「1500安打も打てるとは思わなかった。スペシャルな日になった。1999安打で引退できる自信はある。こだわりはない。それがオレのやり方」。シンプルに野球を楽しむ川崎の加入が、開幕から波に乗れなかったチームを変えた。1位楽天の背中をとらえはじめている。【石橋隆雄】

 ▼川崎が日本復帰後初の猛打賞。川崎の1試合2安打以上は大リーグ時代を含めても、ブルージェイズに在籍した14年9月26日オリオールズ戦(3打数2安打)以来。猛打賞は同8月26日レッドソックス戦(4打数3安打)以来となった。