伊東監督「何かあったら責任を」借金20打率1割台

ロッテ対西武 4回表を終え、円陣を組むロッテの選手たち。左端は佐々木(撮影・狩俣裕三)

<ロッテ1-5西武>◇18日◇ZOZOマリン

 最下位ロッテの貧打が終わらない。西武の継投に6安打1点に抑えられ、12年以来となる8連敗を喫した。借金は、とうとう11年以来の20に達した。チーム打率は、いまだ2割に届かない。これで球団ワーストタイの18試合連続1ケタ安打。1958年以来59年ぶりという歴史的な深刻さだ。球団は18日、WBCキューバ代表のロエル・サントス外野手(29)と契約合意したことを発表したが、主軸タイプではなく、的確な補強となるか…。

 伊東監督の語気は弱々しかった。8連敗に「もう笑いしか出なくなった…」と自虐的だった。前日に続き、9回にパラデスがソロを放ち完封負けを逃れるのがやっと。球団59年ぶりの18試合連続1ケタ安打となってしまった。

 打席数は少ないが、唯一打率3割台の根元を今季初めて1番に置いた。初回、その根元が中前打。伊志嶺が四球で続く。狙い的中で好機が広がったが、3番鈴木は二ゴロ併殺。4番ダフィーが空振り三振で先制を逃すと、直後の2回に佐々木がつかまった。序盤で失点を重ね、じわじわリードを広げられると、もう打線にはね返す力はなかった。

 最大の敗因は、軸の不在に尽きる。今季39試合目で37通り目の打順だったが、4番だけで6人を使った。本来は巧打タイプの鈴木を置いたこともある。結局、デスパイネの穴を埋められないまま。フロントはパラデス、ダフィーを補強したが、開幕直後は極度の不振で2人とも1度、2軍落ち。狙いは外れた。

 今、一番必要なのは、サントスではない。関係者の話を総合すると、WBCの時にキューバ側から売り込みがあり、ようやく合意に至ったのが実情だ。確かに1番打者も補強ポイントだが、伊東監督は「軸がしっかりするのが条件だった」。その条件が満たされていないから「(サントスは)絶対に必要という感じではない」と本音が漏れた。

 やりくりにも限界がある。早出特打や試合後の自主練習は外国人も参加。コーチ陣総出で汗を流す日も珍しくない。入れ替えも積極的だ。今季ここまで1軍登録の野手は計25人でリーグ最多(最少は西武の17人)。それでも、この惨状。投手陣は四球が目立ち、この日は8つ。「野球にならない。攻撃のリズムを崩される」と、伊東監督が目指す野球が出来ない悪循環。フロントは大砲候補の外国人の調査も続けているが、トレードも仕掛けるべきだ。

 ただ先が見えなくても、まだ100試合以上ある。

 伊東監督 応援してくれるファンの人たちに申し訳ない気持ちでいっぱい。僕は何かあったら責任を取りますので、選手は応援してくれる人、家族のためにプロとして自覚を持ってやってもらいたい。

 最後に“責任”という重い言葉を使った。ロッテにかかわる全ての人の意地を見たい。【古川真弥】 

 ▼1桁安打 4月28日西武戦から18試合連続1桁安打。ロッテでは大毎時代の58年8月3~27日以来59年ぶりの球団ワーストタイ記録。58年は連続1桁安打中に5勝12敗1分けだったが、今回は3勝14敗1分け。今季の2桁安打は4月6日日本ハム戦の10本と同26日楽天戦の12本だけ。開幕39試合消化時に2桁安打が2試合以下は58年近鉄(1試合)以来、59年ぶり。

 ▼打率1割台 ロッテの打率は1割9分。開幕から39試合以上消化して打率1割台は62年国鉄以来、55年ぶり。国鉄は114試合目まで1割台で、最終的には2割1厘。2リーグ制後、打率1割台でシーズンを終了したチームはなく、最低打率は前記国鉄の2割1厘。最終のチーム打率が1割台は1リーグ時代の44年産業1割8分4厘が最後。

 ▼106敗 39試合で29敗のロッテは、このペースならば最終的には106敗。参入1年目の05年楽天は97敗止まりで、シーズンに100敗以上喫したのは61年近鉄の103敗(36勝1分け)しかない。

 ▼借金20 開幕から39試合以下で借金20は、32試合目に記録した05年楽天以来で2リーグ制後は9度目。ロッテでは開幕11連敗した02年の53試合目を抜く球団ワースト。