阪神鳥谷、歴代2位連続出場ピンチ 顔面付近に死球

阪神対巨人 5回裏阪神1死三塁、巨人吉川光から顔面に死球を受け交代となる鳥谷(撮影・清水貴仁)

<阪神1-3巨人>◇24日◇甲子園

 阪神鳥谷敬内野手(35)が、顔面付近に死球を受けて途中退場した。5回1死三塁、先発吉川光の2球目144キロ直球が顔の右側付近を直撃した。鳥谷はうずくまったまましばらく動かず。鼻から流血しながら自力でベンチへ戻って交代した。この日で歴代2位の連続試合出場は「1794」まで伸びたが、今日25日の出場は微妙な状況だ。

 鳥谷は5回裏終了後にクラブハウスへ引き揚げた。ベンチ裏通路では報道陣の姿を確認して穏やかな表情も見せたが、出血は止まっていなかった。試合中に兵庫・尼崎市内の病院へ。金本監督は試合後、出血箇所は鼻かと問われて「だと思うけど…。病院に行っているから。結果は聞いていないですけど」と話すにとどめた。ボールはヘルメットに当たったとしてもかすめた程度で、顔面に直撃したとみられる。出血量を見る限り、鼻骨骨折という最悪の可能性も拭い切れない。

 かつては腰や肋骨(ろっこつ)を骨折しても、当たり前のように試合に出続けた男だ。「自分が休んだら、他の選手にそのポジションを奪われるかもしれない。チームが必要としてくれるなら…」。常に危機感は胸に宿している。今回も鳥谷本人は試合出場の可能性を全力で模索するに違いない。

 チームは宿敵巨人に連敗し、2位広島に0・5ゲーム差まで迫られた。苦しい時期だからこそ、経験豊富なベテランの力は必要不可欠。今日25日も甲子園で巨人戦がある。鳥谷が打席に入る瞬間を、虎党は信じている。【佐井陽介】

<鳥谷過去の主なピンチ>

 ◆肋骨(ろっこつ)骨折 07年9月25日横浜戦で死球を受け「右第9肋骨骨折」と判明。同29日の広島戦で途中交代し、継続していたフルイニング連続出場は398試合で止まった。

 ◆腰椎骨折 10年5月8日広島戦の4回守備でフライを追った際マートンと交錯。腰椎部分を骨折し、長びく痛みと戦い続けた。

 ◆右手人さし指の爪はがれる 11年5月15日中日戦の守備で、和田のゴロを右手人さし指に当てた。爪がはがれ流血。その裏の打席で代打を送られた。骨には異常なしも「右手人さし指爪床(そうしょう)裂傷」と診断された。

 ◆右脇腹痛 15年6月21日ヤクルト戦で背中に当てられ転倒。激痛と腫れが続き、1500試合を超えていた連続試合出場を一時は諦める覚悟も固めた。後に、肋骨を完全に骨折していたことが判明。