広島丸V打&誠也9号 投打ガッチリ首位に0・5差

広島対ヤクルト 1回裏広島1死三塁、丸は右越えに先制の適時二塁打を放つ(撮影・今浪浩三)

<広島6-1ヤクルト>◇24日◇マツダスタジアム

 0・5差じゃ~! 広島が連勝で貯金を7とし、首位阪神と0・5ゲーム差まで縮めた。試合前から雨が降り続け、グラウンドコンディションは良好とは言えない状況だったが、菊池の好守備など先発大瀬良をバックがもり立て、緒方監督も今季最多の3犠打を指示するなど地の利を生かした。今日25日の休日をはさみ、26日から交流戦前最後の巨人3連戦。首位取りで節目を迎えようや~!

 菊池が飛んだ! 緒方野球の「守備から」の体現者が魅了した。3回1死。打者大引の一、二塁間への打球。菊池は斜め後ろに走路を取って、走った。そして滑りながら、捕った。ついで捕りながら、体勢を変えた。さらに体が前に倒れる間に、投げた。運動生理学の権威も驚くであろう一連の動作。紛れもない内野安打を消し二ゴロにした。

 緒方監督 こういうグラウンドコンディションのなかで、バックが(大瀬良)大地をもり立ててくれた。

 大瀬良もこのプレーには目を丸くし、グラブをたたいた。いわば1ファンになるほどのビッグプレー。その後も中堅丸が再三の背走捕球。5回1死一塁からは捕手会沢が打者石川のバントの飛球を気合でもぎ取った。小飛球が走路と重なり、石川に抱きつくようにミットを出す。1度グラブからボールが飛び出たが、そこは高校時代に「短ランボンタン」で鳴らした男。命がけでの捕球に成功した。

 雨が降り、スタンドはポンチョの赤で染まった。いつお天道様の気が変わるかは分からない。「それは当然」と先取点へと燃えていたのは好球必打男の丸だ。1回1死三塁。ヤクルト石川の初球シュートを右翼フェンス直撃の先制適時二塁打。3回にも1死三塁で中犠飛で追加点だ。「打線、という攻撃が出来た。今日みたいなゲーム運びがうちの野球」と胸を張った。

 緒方監督 序盤にタナキクマルがつないでくれて主導権を握れたからね。

 総大将の指揮官も4月26日の巨人戦(マツダスタジアム)と並び今季最多タイとなる3犠打の攻撃。隠れ首位打者安部が左腕相手に決めたことも「よくつないでくれた」と評価した。さらには走っても新井の好走塁。ド派手に誠也の1発と、結局主導権は1度も渡さない快勝だ。試合前には来場者全員にヤクルトが配布された。一気飲みで首位阪神に0・5ゲーム差。一丸です!【池本泰尚】