巨人屈辱75年ぶり10戦連続1ケタ安打&本塁打0

巨人対広島 ベンチで厳しい表情を見せる巨人高橋監督(左)と尾花コーチ(撮影・たえ見朱実)

<巨人0-9広島>◇27日◇東京ドーム

 巨人が広島に勝てない。0-9で惨敗し、広島戦は6連敗で今季1勝9敗となった。先発宮国椋丞投手(25)が4回途中7失点KOと、投手陣は今季ワーストの15安打を浴びて9失点。打線も同ワーストタイの4安打で今季4度目の完封負け。42年以来75年ぶりの「10試合連続本塁打ゼロの1ケタ安打」の貧打に陥り、3連敗で勝率は5割に落ちた。

 怒りで唇だけが震えていた。完膚なきまでにやられた試合後の会見。高橋監督はいつものポーカーフェースで報道陣の前に立った。まずは4回途中KOの宮国について、質問を受ける。「日にちを与えているのに、困ったものですよね。何を準備してきたのかなという感じですね。(勝負に)なってないんじゃないですか、あれじゃね」。悔しさ、歯がゆさ。冷静な指揮官が発した、上ずった声に、珍しく感情がにじみ出た。

 無理もない。中8日で登板させた宮国が初回から乱調。必要以上に被安打を警戒して四球を出すと、今度は四球を嫌って連打を浴びた。広島戦は今季10戦で28得点で、72失点。開始早々から悪循環に陥った。

 終始劣勢の展開が、貧打に追い打ちをかけた。ここ9戦連続、1ケタ安打で本塁打のない現状を考えると、ロースコアに持ち込むのが勝利への絶対条件だった。反撃への焦りがさらなる重圧を生み、広島九里の前にことごとく凡打を積み上げた。本塁打どころか、安打すら止まった。

 今季ワーストタイの4安打。4点差からの逆転勝ちがない今季の巨人に、6回までの9点差は、あまりにも重すぎた。「ああいう展開になるとひっくり返すのは難しい、大変なこと」としつつも「打てていないのも事実。打者はもう少し打たないといけない」と打線にも注文をつけた。

 背水の3戦目は、交流戦前最後のリーグ戦。同一カード7連敗となれば、今季初の借金を抱え、パ球団との戦いを迎えることになる。「最終的にどうなるか分からないですけど、同じ相手にずっと同じようにやられているというのは、どうにかしないといけないのは間違いない」と厳命した。やられっぱなしでは終われない。天敵からの1勝が、連敗ストップのみならず、先の戦いに大きな力をもたらす。【浜本卓也】

 ▼巨人は17日ヤクルト戦から10試合続けて本塁打が出ていない。巨人は1リーグ時代の40年に25試合連続本塁打0を記録しているが、2リーグ制後に10試合連続本塁打0は12年3月30日~4月10日に並ぶ球団ワースト記録となった。12年は10戦不発中に2桁安打試合があったが、今回はすべて1桁安打。巨人が10試合連続で本塁打0の1桁安打は、1リーグ時代の42年5月13日~6月13日に11試合続けて以来、75年ぶり2度目の貧打記録だ。これで今季の広島戦は1勝9敗。巨人が10回戦までに9敗したのは97年ヤクルト戦以来で、こちらも2度目になる。