広島が首位返り咲き!初V75年以来、巨人に7連勝

10回表終了、適時二塁打の西川(左から4人目)は手荒い祝福を受け苦笑いしながら喜ぶ(撮影・松本俊)

<巨人2-3広島>◇28日◇東京ドーム

 首位返り咲きじゃ~! 広島が5連勝で貯金を10とし、5日以来、23日ぶりの首位に立った。延長10回に緒方孝市監督(48)が攻めのタクトを振り、代打西川龍馬内野手(22)が決勝の適時二塁打。苦しんでいた中継ぎ陣も5投手がゼロでつないだ。これで初優勝を飾った75年以来の巨人戦7連勝。貯金10のうち9が巨人戦とは気持ちがいい。

 4人が一気にベンチから出てきた。「終盤は常に攻める姿勢で」と語った緒方監督、助言を送る石井打撃コーチと、体を温めた選手が2人。迷いのないタクトだった。同点の延長10回。先頭会沢が右前打で出塁した直後。手袋をはめた俊足野間は代走で一塁へ。凡退に備えていた西川が下がり、ピンチバンターで石原が打席に向かった。

 たたみ掛けた。1球で石原が犠打。1番田中が遊飛に倒れ2死二塁となり、上本の打順で代打西川を送った。ベンチには捕手の磯村と野手は新井だけになったが「チャンスがあればどんどん仕掛けていかないと。仕掛けないと突破口にすらならないしね」と緒方監督。期待に応えるように、西川が左越えの適時二塁打で試合を決めた。

 リードした後の延長10回は一岡が締めた。普段と異なる役割、場所でも全力で全うした選手が頼もしい。「石原がチャンスメークして、西川もよく打った。いっちー(一岡)も簡単な場面じゃないけど、勇気を振り絞って投げてくれた」と褒めた。8回には下半身に不安のある菊池が出塁すると、代走上本を起用。コンディションの考慮もあろうが、戦力を余らせない攻撃で襲いかかった。

 2点を追っていた7回には円陣を組み、直後にエルドレッドが同点2ラン。中継ぎ陣も5投手がゼロを並べた。常々口にするのが「試合のなかでチャンスは2、3度」。2回と9回に無死二塁を2度逃したが、3度目の延長10回は逃さなかった。意図が伝わったように選手も躍動して勝った。

 これで5連勝を飾り、5日以来、23日ぶりの首位に戻った。巨人戦は初優勝を飾った75年以来の7連勝。さらには優勝した昨季の6よりも多い貯金10で、交流戦に入る。「また1戦、1戦、しっかりやっていく」と指揮官。コイの季節が、再び訪れる。【池本泰尚】