巨人9回2死から追い付かれ…打線大改革も8連敗

11回裏、亀井(手前)が右飛に倒れ、8連敗となり悔しそうな表情を見せる巨人ナイン(撮影・河野匠)

<日本生命セ・パ交流戦:巨人5-6オリックス>◇2日◇東京ドーム

 逆転サヨナラ勝利を想像した巨人ファンの大歓声が、悲鳴に変わった。2点を追う延長11回、長野の2号ソロで1点差に追い上げ、さらに2死二、三塁。一打サヨナラの場面まで持っていった。初球、亀井が思い切りよく引っ張り、強烈なライナーを放ったが、打球は右翼手の正面。オリックスに5-6で競り負け、11年ぶりの8連敗となった。

 就任2年目で自身ワーストタイの借金5を抱えた高橋由伸監督(42)は、表情を変えずに敗北を見届けた。「(11回に)粘りは見せられましたけど、もう少し早くこういう形で点を取っていかないといけなかった」と絞り出した。

 8回までは狙い通りだった。連敗阻止へ、3シーズンぶりに4人同時の入れ替えを決断。守護神として21試合2敗13セーブで防御率1・96のカミネロに代え、2軍で打率3割1厘、8本塁打のクルーズを呼んだ。

 そのうえで、打線の大幅改造を決断した。坂本勇を今季初の1番で起用。前夜に楽天則本から2ランを放った村田を4番に据え、マギーとクルーズでクリーンアップを形成。試合前までリーグワーストのチーム打率2割3分7厘だった貧打解消へ、なりふり構わず勝機を探った。0-1の7回無死一塁で村田が2戦連発の3号逆転2ランを打てば、坂本勇も2点適時打で続いた。

 それでも逃げ切れなかった。8回2死一塁で、指揮官は「現時点で最後を託す投手は彼しかいない」と代役守護神のマシソンをマウンドに送った。今季5度目のイニングまたぎとなった9回2死からソロ本塁打を含む4連打で追いつかれた。懸命に策を講じたものの、あと1歩で勝利を逃した。「必死に何とか流れを変えようと、みんな必死にやってくれている。毎日、常に今日は何とかして勝とうという気持ちは変わらない」。トンネルの出口を信じ、もがきながら必死に戦うしかない。【浜本卓也】

 ▼巨人が5月25日阪神戦から8連敗。巨人の8連敗以上は、6月に8連敗と10連敗、7月に9連敗を喫した06年以来、11年ぶり9度目。巨人で8連敗以上を記録した監督は原監督4度、長嶋監督3度、中島監督に次いで4人目になる。長嶋監督時代の94年に8連敗で優勝した巨人だが、この時は8連敗の9月3日時点でまだ2位に3ゲーム差の首位。8連敗時に首位でないケースは優勝を逃している。