日本ハム玉井「まさか…」あこがれ聖地でプロ初勝利

プロ初勝利を飾った玉井(右)は増井(中央)からウイニングボールを手渡され一瞬ビックリした表情を見せる。左は栗山監督(撮影・加藤哉)

<日本生命セ・パ交流戦:阪神2-4日本ハム>◇2日◇甲子園

 プロ初勝利を“あこがれの舞台”でつかんだ。日本ハムのドラフト8位ルーキー玉井大翔投手(24)が1点ビハインドの8回に4番手で登板し1安打無失点。9回に味方が逆転に成功し、プロ初勝利を挙げた。初めて立った甲子園のマウンドで阪神打線に立ち向かい、デビュー3戦目でチームの3連勝に貢献した。

 逆転勝利に沸くベンチで、玉井が背中をポンとたたかれた。振り返ると栗山監督の笑顔があった。「良かったな」と声を掛けられ、笑顔でおじぎした。プロ3戦目で舞い込んできた初勝利。「まさかこんなに早く勝てるとは。0点に抑えたら攻撃陣が点を取ってくれると思っていた」。

 初めて立った聖地のマウンド。歓声の大きさに戸惑いながらも1イニングをきっちり抑えた。旭川実3年夏、甲子園メンバーとしてベンチ入りも、当時のチームでは3番手。ブルペンで待機したが、登板機会はなかった。卒業後、消防士になるか迷ったが、大学進学を選んだ。「このままじゃ野球をやめられない」。悔しさをバネに腕を磨いてきた。どうしても立ちたかった、あこがれの舞台で、プロでの夢をかなえた。

 オホーツク海近くの北海道・佐呂間町出身。名産のホタテやカキは「バケツいっぱいもらうこともある。大きくておいしい」と自慢する。この日も使用した真っ青なグラブを「オホーツクブルーです」とアピールするピュアな道産子右腕だ。「ウイニングボールは両親にあげたい」と、遠い佐呂間町からテレビで応援する家族に喜びを届けた。「大きく羽ばたいてほしい」の願いを込めて「大翔」と名付けた父伸一さん(55)も「あの甲子園で投げている姿を見て涙が出ました。感激です。(ボールは)家宝です。置く場所を作ってでも飾ります」と喜んだ。

 ドラフト8位からやっとスタートラインに立ち、まずは1つ結果を残した。栗山監督は「甲子園の雰囲気にのまれないか心配だったけど、自分のペースを保っていた」と成長に目を細めた。玉井のプロ野球人生はスタートしたばかりだ。【保坂果那】