<日本生命セ・パ交流戦:阪神4-3日本ハム>◇4日◇甲子園
虎が2日連続の神がかり勝利だ。延長11回1死満塁。前夜のヒーロー、阪神岡崎が打席に入った。1球、また1球…。カウント2-1から、ボールを1球挟んで8球ファウルで粘った。そして、左腕エスコバーの13球目だ。内角直球を引っ張り、打球は左翼線を破った。今季最多4万6744人のスタンドから、地鳴りのような歓声が上がった。13年目のプロ1号から一夜明け。今度は自身初のサヨナラ打だ。
「内に来たら、当たろうぐらいの気持ちだった。うれしかった」
ベンチ前で、指揮官が待っていた。胸に飛び込むと、太い腕に抱かれ、持ち上げられた。「来い! みたいな感じだったので」。岡崎が照れ笑う。金本監督も笑顔で「重かった(笑い)。人生、変わってきましたね。2日続けて、太一が決めるとは…」と言った。
延長11回の攻撃は導かれるようだった。四球と失策で、無死一、二塁。代打北條がバントしたが三塁で封殺。セーフにも見える際どいタイミング。怒号を発し、ベンチを飛び出した金本監督は「僕には完全にセーフに見えたので。ビデオ判定のないプレーなので悔しい思いをした」。将の気迫に日本ハム側も揺れたのか。直後の原口の併殺コースの遊ゴロがエラーを誘い、岡崎に打席が巡ってきていた。
2点ビハインドで迎えた9回も3連続四球からの同点劇だった。首位広島が勝ち、負けられない一戦を制した岡崎は「勝てたことがうれしくて。バッティングはたまたま。基本的には守備で、投手にいいピッチングをしてもらうのが仕事。そこは変わらずに」。チームの勝利を願ってやまない男に、野球の神様は再びほほえんだ。【田口真一郎】
▼岡崎が延長11回、13球目を打ってサヨナラ安打。岡崎が1打席で10球以上粘ったのはプロ入り初めてで、13球目をサヨナラ打にしたのはセ・リーグでは05年アレックス(中日)に次いで2人目。