日本ハム中田4戦ぶり4番復帰弾 2戦連発、3打点

2回表日本ハム無死、左越え本塁打を放つ中田(撮影・黒川智章)

<日本生命セ・パ交流戦:中日5-7日本ハム>◇14日◇ナゴヤドーム

 打って、走って、4番復活だ! 日本ハム中田翔内野手(28)が、14日の「日本生命セ・パ交流戦」中日2回戦(ナゴヤドーム)で、4試合ぶりに4番に復帰。2回に2試合連発となる7号ソロを放った。6回には2点適時二塁打と本塁への激走で、最大4点差を追いついた。チームも今季最多の15安打を放ち、延長12回、4時間20分に及ぶロングバトルを制した。

 生まれ変わった「4番中田」が、帰ってきた。照れくさそうに「3番の方が好きだけどね」と言いながら、失いかけていた自信を取り戻し、主砲としての存在感を証明した。4点を追う2回。フルカウントまで追い込まれながら7球目、確かな感触を実感した。「今、打席の中でしっかり自分のスイングが出来ている」。中日先発大野の直球145キロを、左中間席ギリギリに放り込んだ。今季初の2試合連発となる7号ソロ。大量ビハインドを追いかける、号砲になった。

 「リフレッシュ期間」を経て、戻ってきた。4試合ぶりの4番。10日巨人戦(札幌ドーム)で、栗山監督が就任した12年以降で初めて3番に入った。一時、レアードから借りて安打が出ていたバットと同じ形のものを発注するなど、苦悩していた時だった。栗山監督は「翔は話せば分かる。誰よりも素直だから」。熱い思いと3番への変更意図の説明を受け、心の整理が付いた。中田は「打順関係なく、打席に立てるようになった」。主砲の重圧から一時的に解放され、余裕が生まれた。

 4番復帰は、試合前のメンバー表で知った。前触れなく驚きもあったが、4番再スタートへ気持ち新たに奮起した。6回には右中間を破る2点二塁打。この日3打点目の活躍で1点差に迫った。続くレアードの左前打の間に激走で、同点のホームに滑り込んだ。思わず苦笑いを浮かべた際どいシーン。セーフの判定後、リプレー検証が行われたが、判定は変わらず、試合を4-4の振り出しに戻した。「集中力を切らさずにいけた」と勝利への原動力になった。

 栗山監督は「(打順変更は)翔のためにやっている。内容が本当に良くなってきているよね」と、思いに応える形になった。今季5度目の延長戦。競り勝った2試合とも、中田の活躍があった。「1試合でも多く、こういう試合をしたい」。中田が渇望する激戦を乗り越え、再び頂点への道を切り開いていく。【田中彩友美】

 ▼日本ハム中田が中日2回戦(ナゴヤドーム)で3打点。1試合3打点以上は今季5度目。5月31日DeNA戦(札幌ドーム)で3安打を放っての5打点が最高。4月27日ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)、5月17日楽天戦(盛岡)、同21日オリックス戦(札幌ドーム)で3打点を記録している

 ▼日本ハムが、14日の中日2回戦(ナゴヤドーム)で今季最多の15安打。今季これまでの1試合最多は、5月27日ソフトバンク戦(札幌ドーム)、同31日DeNA戦(札幌ドーム)で記録した14安打だった。1試合15安打以上は、16年9月17日ロッテ戦(札幌ドーム)での18安打以来。