DeNA宮崎満弾「セNO・1バットコントロール」

DeNA対ロッテ 5回裏DeNA1死満塁、左越えに満塁本塁打を放つ宮崎(撮影・足立雅史)

<日本生命セ・パ交流戦:DeNA6-2ロッテ>◇15日◇横浜

 楽天則本は世界記録更新とならなかったが、セ界の首位打者は大仕事を成し遂げた。DeNA宮崎敏郎内野手(28)が「日本生命セ・パ交流戦」ロッテ戦で、1点差を追う5回、プロ入り初の満塁本塁打を放った。2回、4回の安打と合わせ、3安打でリーグトップの打率を3割3分9厘にまで上げた。5番打者の猛打で、DeNAは2連勝で交流戦の借金を1とし、今日16日に勝率5割に挑戦する。

 難しい球をさばいて、宮崎は逆転満塁弾とした。5回1死、2ボールから速球系を2球ファウルした後だった。116キロのカーブが内角高めに来た。うまく腕を畳んで上からたたいたが、普通ならファウルになるコース。左に切れなかった理由を「変な打ち方だからじゃないですか」。打球速度150キロ、角度は28度、推定飛距離112メートルの1発とした。

 宮崎 追い込まれていたので全部(の球種を)マークしていた。何とかくらいついていこうと。クマ(熊原)も頑張っていたし、みんなつないでくれたし。あのコースを打ったことはあります。『いつ』と言われても難しいんですけど。自分のスイングができました。

 満塁弾は社会人セガサミーに在籍した、12年都市対抗の日本通運戦以来だ。この試合は巨人長嶋茂雄終身名誉監督が観戦。ドラフト6位と下位指名ながら、プロ入りにつながった重要な試合だった。

 通算2017安打で09年首位打者のラミレス監督は試合前、まるで予言のように語っていた。「宮崎のバットコントロールはチームというより、セ・リーグの中でもNO・1と言える。引っ張ることも流すこともできる。バランスがとてもいい」。第1打席は速球系を投手返しの中前打、第2打席は内角高めに詰まりもながらも中堅右への安打。本塁打はカーブを左翼席へ。技術の高さを証明する3安打だった。

 練習の虫で、ビジターの試合でも宿舎にバットを持ち帰り、素振りを繰り返す。「今はスタメンで出させてもらっているけど、まだレギュラーじゃない。下からの突き上げはある。首位打者だからといって、レギュラーだとは思っていません」。ドラフト下位からはい上がった男は、ギラギラした目で言い切った。【斎藤直樹】

 ◆宮崎敏郎(みやざき・としろう)1988年(昭63)12月12日生まれ、佐賀県唐津市出身。厳木(きゅうらぎ)-日本文理大-セガサミーを経て12年ドラフト6位でDeNAに入団。13年5月20日オリックス戦でプロ初出場。昨年はレギュラーに定着すると、自己最多の101試合に出場し11本塁打。今季年俸は3000万円(推定)。172センチ、85キロ。右投げ右打ち。