広島丸V弾!交流戦最高勝率「しっかりとりたい」

8回裏広島無死、丸は中越えに勝ち越し本塁打を放ち、ファンの声援を背にダイヤモンドを回る(撮影・栗木一考)

<日本生命セ・パ交流戦:広島3-2ソフトバンク>◇17日◇マツダスタジアム

 広島が「日本生命セ・パ交流戦」の勝率1位に逆王手をかけた。前日16日に3打席連続本塁打を放った丸佳浩外野手(28)が、2-2の8回に2試合連発となる決勝の12号ソロを放った。今日18日、交流戦最終戦のソフトバンク戦(マツダスタジアム)で勝った方が1位となる。球団初の栄光をつかむため、交流戦打率4割2分を誇る丸が、その先頭に立つ。

 がっしり両足で地面をつかまえ、丸はバットを振り下ろした。パ・リーグ最多タイの19ホールドポイントを誇る岩崎の初球。真ん中の152キロを一閃(いっせん)。フルパワーが伝わったバットにはじかれ、打球はバックスクリーン左へ吸い込まれた。前日に3打席連発の離れ業を成し遂げたが「今日の方が達成感、充実感がある」と喜んだ。

 試合前、左足に「ま」、右足に「る」と名前を書いた黄色のサンダルからスパイクに履き替える。靴ひもを1度がっちりと締めると、守備でも攻撃でも履き替えることはない。すべてはプレーに集中するため。脱着式のテープのものも試したが、靴の中でほんの少し足がぶれることが嫌だった。違和感を嫌う繊細な感覚。だが丸は「そんないいもんじゃない」と言った後、一言で自分を表現する。

 「僕は不器用なので」

 入団当初からバットの型をほとんど変えていないのも「格好良く言えば、自分が分からなくなる」。同じ道具、環境のなかで自分の本当の状態を把握したい、打席のなかで余計なことも考えたくないと言う。不器用だから休むことなく練習する。とぎすませた感覚で4回にも1死から鮮やかに中前打を放って出塁。2点を追う状況でチーム初安打を放ち、エルドレッドの2点適時打を呼び込んでいた。

 交流戦打率はトップの4割2分で、交流戦首位攻防戦のここ2試合で4発。西武と阪神が敗れたため、交流戦最高勝率の争いはソフトバンクとの一騎打ちとなった。視界にとらえた球団初の“タイトル”。丸は「明日勝てば、必然的についてくる。しっかりとりたい。モチベーションの1つでもあるし、自信にもなる」と表情を変えずに意気込んだ。どっしりと座る3番。丸がいつもの仕事でチームを導く。【池本泰尚】

 ◆交流戦勝率1位の行方 1位争いは広島とソフトバンクに絞られた。今日18日の直接対決で広島が○か△ならば広島が初の1位。ソフトバンクが○のケースは両チーム12勝6敗で並ぶが、直接対決で勝ち越すソフトバンクが3年連続7度目の1位となる。最終戦の直接対決で1位が決まるのは14年以来2度目。14年は最終戦を残して1位ソフトバンクが14勝7敗2分け、2位巨人が15勝8敗。6月22日の最終戦で、巨人が10-5でソフトバンクを下し逆転で1位に輝いている。