ヤクルト根岸新オーナー、ケガ人続出など追及される

新しくヤクルトの代表取締役オーナーに就任した根岸氏

 質問攻めの船出だ。ヤクルトが21日、都内で本社の第65回定時株主総会および球団の臨時株主総会と取締役会を開催。本社の代表取締役社長である根岸孝成氏(68)が新たに代表取締役オーナーとなった。株主からは根岸オーナーと衣笠剛球団社長(68)に球団関連の質問が集中。本社の事業展望などをさしおいて、けが人続出のチーム状況を厳しく追及された。

 追及のゴングはいきなり鳴った。ヤクルト株主総会の1人目の質問。本社社長でもある根岸新オーナーに好調の本業について聞くのでなく、球団を所有する覚悟を問うた。「神宮に来るファンに負けないくらいのファンか?」。根岸オーナーは「入社以来、ヤクルトスワローズを応援している。成績は振るわないが上の順位を目指して応援したい」と話すと、低迷する現状への質問が集中した。

 愛ある怒りにあふれた。「なぜ本拠地神宮で相手ファンが一塁側ベンチの上に座り、相手の応援歌を歌っているのか」と憤る株主。「何千万、何億円ともらっている選手が、ケガで休みっぱなし。助っ人までが2軍にいるのは管理はどうなっているのか。監督の采配もなっていない。執行部はこのままでいいのか」と嘆く株主。

 関心の高かったのはケガに関するものだ。畠山、川端、バレンティン、小川らと故障者が続出。戦力低下の要因となっている。衣笠社長は「11、12、13年はけが人が多かった。(今は)人数的には少なくなっている。ケガが出にくい体質作りを将来に向けて進めていく」と回答。数年前にトレーニング、コンディショニング、リハビリの部門を統一して情報共有を深めて状況は改善しているとした。

 1時間28分の株主総会を終えて根岸オーナーは会見を開き、言った。「本来のチーム力はこんなもんじゃない。今季のスローガン『目を覚ませ!』の通り、真中監督の下、1つ1つのプレーを大切にして、喜ばれる野球をしてもらいたい」と。新たな体制で覚醒し、巻き返す。【島根純】

<衣笠社長による選手復帰時期見通し>

▼23日から

西田(左足頸骨打撲)

▼6月末

山中(下半身の張り)

バレンティン(右太もも裏内側軽度肉離れ)

▼7月上旬

中村(右大腿骨骨挫傷)

小川(左内腹斜筋肉離れ)

▼7月下旬

川端(椎間板ヘルニア)

畠山(左ふくらはぎ肉離れ)