ソフトバンク柳田、ノムさん以来1試合3打席連発

2回裏ソフトバンク1死一、三塁、柳田は左中間へ3点本塁打を放つ(撮影・栗木一考)

<ソフトバンク10-0西武>◇23日◇ヤフオクドーム

 ソフトバンク柳田悠岐外野手(28)が自身初の3打席連続本塁打と、自己最多タイの6打点で再開リーグ戦の10点大勝発進を導いた。ホークスの3打席連発は1966年(昭41)野村以来、51年ぶりの快挙だ。2本目の17号2ランはプロ野球283人目の通算100本塁打。3本目の18号でキング争いもトップタイに躍り出た。この日、交流戦MVPを受賞した男の御礼の大活躍で、首位楽天とのゲーム差も0・5に縮めた。

 柳田が相手エースにとどめを刺した。3点リードの2回。西武菊池の初球145キロを中堅左のホームランテラスへ運ぶ16号3ラン。リードを6点に広げ、試合をほぼ決定づけた。4回には変則右腕平井から、右翼席へたたきこむ17号2ラン。通算100号のおまけつきだ。でも2本では満足しなかった。6回は左腕ガルセスの低めチェンジアップを中堅右に運び、自己最タイの6打点をマークした。

 「奇跡。信じられない。野球人生で初めて」。1試合3本塁打も3打席連発も初めて。8回に1人走者が出れば打席が回ってきたが、次打者席で攻撃が終了した。「どっちでもよかったですね」。王球団会長、元日本ハム・ウィルソンに続く1試合4打席連続本塁打にこだわりは見せなかった。

 この日朝、眼科でコンタクトを度の強いものに変えたことも功を奏した。「昨日行ったら休診。気分転換もあって、両方とも度数を1つ上げてみた。今までよりピタッと見えた」。66年野村克也以来、ホークス51年ぶりの離れ業は視界がいつも以上にクリアだったから?

 この日、2年ぶり2度目の交流戦MVPに輝いたが、故郷での広島ラスト3連戦は11打数2安打に終わった。最終戦後は実家に里帰り。温泉に行くなど2連休で英気を養い、2日間の練習で打撃を修正した。内川が2軍調整中で、デスパイネも代打起用という苦境のチームを勇気づけた。6月はこれで10発。24日の第1打席で試合をまたいでの4打席連続アーチが期待されるヒーローは「また明日、頑張ります」と声を張り上げた。【石橋隆雄】

 ▼柳田が3打席連続本塁打。1試合で3打席連続本塁打は6月16日丸(広島)に次いで今季2人目。ソフトバンクでは、南海時代の66年8月3日に野村が記録して以来51年ぶり3人、5度目になる。柳田は16号が左、17号が右、18号が中と、3方向への1発。3方向へ打ち分けた3打席連発は06年6月17日カブレラ(西武)以来となり、日本人選手では01年9月27日松井(巨人)以来。ソフトバンク選手が3方向への3打席連発は初めてだった。柳田は今日の試合でプロ野球記録の4打数連発に挑戦する。

 ▼通算100本塁打=柳田(ソフトバンク) 23日の西武10回戦(ヤフオクドーム)4回、平井から今季17号を放って達成。プロ野球283人目。初本塁打は12年8月5日の西武15回戦(ヤフードーム)で松永から。