西武菊池雄星、日本記録のソフトバンク戦11連敗

2回裏ソフトバンク1死一、三塁、柳田(後方)に3点本塁打を浴びる西武菊池(撮影・栗木一考)

<ソフトバンク10-0西武>◇23日◇ヤフオクドーム

 これはもう「球界七不思議」だ。西武菊池雄星投手(26)が、またソフトバンク戦で負けた。今季は全12試合クオリティースタート(先発6回以上、自責点3以下)で防御率1位と抜群の安定感を誇っていたが、今季最短2回1/3で7安打7失点KO。デビューから同カードは通算16試合で勝ち星なしの11連敗となり、同じく10連敗で並んでいたロッテ伊良部の西武戦を超えてしまった。

 試合前のブルペン投球は快調だった。「今シーズンで一番良かった」というほどに。だが、マウンドに上がった途端に変身。「初回からストライク先行にできず苦しかった。悪くないと感じていたけど、何でですかね。引っかける球が多かった。軸になる球が見つからなかった」と肩を落とした。2回に柳田に3ランを浴びると、3回には球速が140キロ台前半に落ち、連打で失点した。

 捕手炭谷も首をひねった。「どうしたんでしょう。ブルペンは抜群でした。柳田に四球を出したあたりからおかしかった」。チームの誰しもが、菊池はこのカード未勝利と知る。マウンドで「意識せんように。1点取られてもきゅうきゅうとするな」と声を掛けた。それでも「どこかで意識してるのかな。いつも通り投げられてない」と打開策が見つからなかった。

 やられっぱなしでは終われない。菊池は「悔しいけど、あと何回か対戦できると思う。ソフトじゃなければ『こういう日もある』と切り替えられるけど。反省するところはしないと」。敵地のマウンドなのか、癖なのか、苦手意識なのか。原因究明が必要だ。【斎藤直樹】

 ▼菊池がソフトバンク戦に11連敗。同一カードで11連敗は99~06年薮田(ロッテ)が西武戦で記録して以来だが、菊池は通算0勝11敗。2リーグ制後、同一カードで初登板から白星なしの11連敗は、50~52年関根(近鉄)の毎日戦、56~59年橋本(広島)の巨人戦に次いで3人目のワーストタイ記録だ。11連敗時に関根は他カードで16勝28敗、橋本は10勝13敗と、2人は他カードでも負け越しているが、菊池は他カードで50勝28敗だから、ソフトバンクに勝てないのが不思議になる。なお、「初登板から」の条件を外した同一カードの連敗記録は55~59年大石(大洋)の巨人戦17連敗。