楽天岸18イニング連続0封 リーグ2位防2・00

日本ハム対楽天 6勝目を挙げた岸は、ファンの声援に手を上げて応える(撮影・山崎賢人)

<日本ハム0-6楽天>◇25日◇札幌ドーム

 楽天岸孝之投手(32)が日本ハム10回戦(札幌ドーム)で、自身2連勝で今季6勝目を挙げた。前回登板の18日阪神戦(甲子園)から2週連続で8回無失点。これで18イニング連続無失点とした。防御率でも同僚の美馬(1・79)に次ぐ、リーグ2位の2・00をマーク。安定感ある投球でチームの首位キープに貢献した。

 9回のマウンドは久保に譲った。岸は、ベンチにいた。笑顔を見せ、周囲と談笑していた。8回を5安打無失点。完封も見えていた。前回の阪神戦では完投を志願したが、疲労を考慮されて8回110球無失点で降りた。この日は121球を要していた。「完封は意識したけど、球数もいっていたので。疲れていましたし。おなかいっぱいです」。通算16度目の完封はお預けとなったが、試合後は晴れやかな表情で報道陣の前に現れた。

 鉄壁のディフェンス力で、日本ハム打線を黙らせた。3点リードの初回、1死一、二塁とピンチを招いたが、中田をチェンジアップで一ゴロに片付け、レアードは高め直球で空振り三振に仕留めた。3回には連続四球で2死満塁とした。またしてもレアードを迎えたが、カーブでタイミングを外した。「序盤は投球のタイミング、バランス悪かった。球も高かった」と課題を口にしながら、ゴールマウスを割らせなかった。

 「プライド」を持ち、試合に臨んでいる。木村拓哉主演でアイスホッケーを描いたドラマ「プライド」が好きだ。DVDセットも全巻持っている。主題歌・QUEENの「I Was Born To Love You」も携帯電話に入れるほど、お気に入りである。「みんなは、主役の木村さんが好きって言う人が多いけど。僕はその中でキーパーを演じていた坂口憲二さんの役が好き。円陣の時に声を出していて。僕とは少しキャラクターが違うけど。チームを守るというか、鼓舞する姿がいい」と憧れを抱いている。

 これで11日広島戦、18日阪神戦、この日を合わせ18イニング連続で無失点を記録した。まさに、楽天の絶対的な“キーパー”。防御率でも美馬に次ぐリーグ2位の2・00と安定感は抜群だ。梨田監督も「ピンチもあったけど、ここっていうところで抑える。防御率も示す通りだね」と目を細めた。岸は「中盤から最後にかけて、良くなってきた」と自身2連勝で6勝目を手にした。相手の攻撃をはねのけ、「0」行進を続ける。【栗田尚樹】

 ◆「プライド」 04年1月からフジテレビ系列で月曜日午後9時から放送されたドラマ。実業団アイスホッケーチームのキャプテン里中ハル(木村拓哉)を中心に、愛と友情を描く青春物語。共演は竹内結子、坂口憲二、佐藤浩市、中越典子、佐藤隆太ら。