広島丸&田中が推薦で球宴へ「新井さんにMVPを」

監督推薦でオールスターに出場する田中(左)と丸(撮影・栗木一考)

 新井さんにMVPを!! 広島丸佳浩外野手(28)と田中広輔内野手(28)は3日、監督推薦によるマイナビオールスターゲーム2017(第1戦=7月14日・ナゴヤドーム、第2戦=同15日・ZOZOマリン)の出場を決めた。2人はそろって、ファン投票選出の先輩新井貴浩内野手(40)のМVP受賞アシストを目標に掲げた。岡田明丈投手(23)薮田和樹投手(24)も監督推薦で初選出され、首位独走の広島からは7人出場となる。

 会見場にいない「新井さん」の名前が頻出した。監督推薦でオールスター出場が決まった丸と田中はそろって「新井さんにMVPを取らせる」と、ファン投票選出の菊池と同じ“珍目標”を掲げた。

 まず丸が「新井さんがどうMVPをとってくれるか。そこしか見ていない」と言えば、田中も続いた。「僕も新井さんをどうにかMVPにできるように、丸と一緒に一生懸命塁に出て、新井さんの打撃で(本塁に)かえってきたい」。自身のプレーには控えめなコメントに終始した2選手は、広島最年長のМVP受賞には燃えている。

 すでにファン投票で選出された菊池が「新井さんが絶対MVPに選ばれるようにアシストしたい」と明言した目標に追随した形だ。丸は5年連続5度目、田中は2年ぶり2度目の出場となる。12球団の一流選手が集う球宴は特別な場所。丸も「シーズン中と違って、素直に野球を楽しめるのがオールスターの魅力」と認める。それでも「新井さんの前で走者をためて、新井さんにかえしてもらう。そこだけ」と言い切った。

 鈴木も含め、強力広島打線の上位を務める4人の援護射撃は頼もしい限り。4選手ともに出塁率3割を超え、計34盗塁とチャンスメーク能力にたける。新井本人は「まず無理だと思う」と苦笑いしていたが、13年MVPのほか、優秀選手賞と敢闘賞を計3度受賞するお祭り男。「無理だと思うけど、本塁打を打てればいい」と色気を出していた。

 昨年は第2戦で鈴木が敢闘選手賞を受賞するなど広島勢の活躍が、後半戦の勢い加速につながった。今年も球宴で広島旋風を巻き起こしたい。まずは今日から球宴まで最後の9連戦が始まる。貯金21で首位を快走するチームの雰囲気は最高潮にある。その中心には、頼れる兄貴“新井さん”がいる。【前原淳】