ロッテ“全員一丸”で下剋上だ!伊東監督魂の訓示

スタッフから贈られたシルバーミットを披露するロッテ伊東監督(撮影・古川真弥)

 チーム一丸で浮上を目指す。借金30の断然最下位に沈むロッテは16日、ZOZOマリンで全体練習を行った。前日まで球宴に出場していた鈴木大地内野手(27)ら3選手も参加。文字通り、1軍選手全員で体を動かし、今日17日からの後半戦に備えた。練習冒頭、伊東勤監督(54)が訓示。ファンのためにも、目先の一戦にこだわっていく。

 練習始めに伊東監督は選手を集めた。球界最年長の井口がいる。生え抜きベテランの福浦がいる。前日の球宴第2戦で好投した4年目21歳の二木もいる。オールスターの熱が引いたマリンで、監督は口を開いた。

 伊東監督 先のことを考えず、1日1日、悔いのないように今日やれることをやろう。応援してくれている多くの人たちのためにやらないと、プロじゃない。若い選手は、この先の野球人生で、これだけ負けた屈辱を忘れないように。将来、必ず役に立つ日が来る。

 球団史上初めて借金30で前半戦を終えた。CS圏内の3位西武とは19・5ゲーム差。モチベーション維持が難しくなっているが、プロとして現実から逃げるわけにはいかない。監督の口調は、自然と熱を帯びた。

 浮上の目を引き寄せるキーワードは“全員一丸”だ。球宴に出た鈴木、田村、二木も練習に参加。12球団で唯一、オールスター組も含めた1軍全員で体を動かした。何とかしたい思いは、スタッフも同じだった。この日の練習前、打撃投手、ブルペン捕手、マネジャー、広報らが監督室のドアをノック。指揮官に、銀色に光るミットを贈った。スタッフ一同27人から、殿堂入りのプレゼントだった。思わぬことに、伊東監督は「最近、沈んでいたけど、心が洗われたよ。裏方さんも含め、みんなで戦っている」と胸を熱くした。

 キャプテンの鈴木は「僕たちは個々の力で勝負できるチームじゃない。これからは、1つになって戦うことが、より大事になる」と熱っぽく言った。残り62試合。ロッテらしさを取り戻す。【古川真弥】