巨人4連勝、斎藤コーチ絶妙トークでマイコに白星

1回表無死、先頭打者本塁打を放った長野(左)を迎える高橋監督(左から2人目)、斎藤コーチ(右)ら(撮影・前岡正明)

<中日1-5巨人>◇17日◇ナゴヤドーム

 「アゲ♂アゲ♂GIANTS」で、巨人が後半戦開幕戦を白星発進した。初回、長野久義外野手(32)が自身2度目の2試合連続先頭打者弾でノリノリのスタート。2回には「リアルお祭り男」小林誠司捕手(28)が渋い内野ゴロの間の1打点でファンの心をくすぐる。6回のピンチでは2軍監督から配置転換された斎藤雅樹投手コーチ(52)が絶妙の“MCトーク”で先発マイコラスを落ち着かせてピンチ脱出した。投打ベンチが一体となって約3カ月ぶりの4連勝。大逆襲の真夏のフェスが幕開けした。

 巨人が雰囲気を一変させ、後半戦のスタートを切った。初回、先頭打者の長野が、小笠原の直球を強振し、2試合連続先頭打者アーチを左翼席にかけた。「いい流れを作るためにも塁に出ることを心掛けていた。先制点を取ることができて良かったです」と、勢いを生んだ。

 追加点は「リアルお祭り男」からだった。2回無死一、三塁。オールスター第2戦で初打席、初本塁打を放ち、高橋監督から「WHY?」と突っ込まれた小林が、外角に沈むチェンジアップに食らいつき三遊間最深部に打球を押し込んだ。泥臭い内野ゴロで、三塁走者を本塁に迎え入れた。「打点がついたからオッケーじゃない。なんとかヒットにしたかった」と悔しがったが、執念で最低限の結果をもたらした。

 ベンチもナインを後押しした。6回、マイコラスが1点を返された直後だった。なお1死一、二塁のピンチで、2軍監督から配置転換となって初戦の斎藤投手コーチがマウンドに向かった。「リラックスして相手に向かっていく気持ちを出していこう」。感情の起伏が激しい助っ人右腕を絶妙な話術でコントロールした。「緊張した! (マイコラスは)最高です。西村も0点で抑えたことが大きい。明日につながる」と声を張り上げてうなずいた。

 斎藤コーチは試合前練習中も、チームの雰囲気を和ませた。三塁側ファウルゾーンで投手ノックの捕手役を務めた際、後方でティー打撃を行っていた江藤打撃コーチに「久しぶりにボールを捕るから気をつけてくださいね!」と声を掛けて笑いを振りまくなど、抜群の存在感でチームを盛り上げた。

 個々の活力が、集合体となって活気と明るさを生んだ。高橋監督は「(長野の1発は)ベンチが活気づいた。スタートして最高の形。(小林の打点は)ヒットは出なかったけど大きな1点。チームにとって大きなバッティングだった」とたたえた。巻き返しへの希望がつまった価値ある1勝。「アゲ♂アゲ♂GIANTS」の猛追が始まる。【為田聡史】