巨人山口俊が病院で暴れ傷害の疑い 警備員被害届か

16日、ジャイアンツ球場でキャッチボールする巨人山口俊

 巨人山口俊投手(30)が18日、トラブルを起こした疑いがあるとして予告先発予定だった中日戦(ナゴヤドーム)の登板を回避した。球団によると11日未明に右手甲を負傷。都内の病院を訪れた際に酔った状態で扉を壊し、男性警備員を負傷させるトラブルを起こした疑いが生じたため、球団が当面の起用を自粛することを決めた。不明な点が多く、事実関係の調査を進めている。

 山口俊が先発予定だった中日戦の当日午前になって事態が発覚した。球団によると、山口俊は30歳の誕生日だった11日未明に、友人と集まった都内の飲食店で誤ってガラスで右手甲を切り、負傷。治療を受けるため都内の病院を訪れたが、酔った状態で扉を壊し、男性警備員を負傷させたトラブルを起こした疑いが生じ、球団は当面の起用を自粛することを決めた。

 この日に球団が事態を把握したこともあり、まだ不明な点が多く、事実関係の調査を進めていくとしている。中日には状況を説明し、先発を高木勇に変更することを伝えた。山口俊は球場には姿を現さなかった。

 警視庁によると、巨人が明らかにした内容と同様のトラブルが11日未明に目黒区で発生。病院側と警備員からは器物損壊と傷害の疑いで被害届が出され、受理している。警備員は胸や腰の打撲といい、同投手との関連を調べる。

 山口俊は昨オフにFA権を行使し、DeNAから移籍してきた。3年総額約7億円の大型契約で先発ローテの中心として期待を寄せられていた。昨秋に患った右肩痛でキャンプは3軍からスタート。開幕には間に合わず、回復に努めて6月中旬に1軍昇格した。同14日のソフトバンク戦こそ6回無安打無失点で初勝利を挙げたが、その後は不安定な投球が続いていた。ここまで4試合に先発し、1勝1敗で防御率6・43と成績は振るっていなかった。

 右手甲の負傷自体は軽傷だったとみられる。11日の負傷後も練習には参加し、ブルペン投球なども行い、後半戦第2戦の中日戦に向けて調整。だがトラブルの疑いがかかり、登板できる状況ではなくなった。高橋監督は試合前の練習後に「詳しいことは分からないので、どうこう言えることはないです。球団が発表した以上のことはわかりません」と話すにとどめた。チームも突然の事態に困惑の様子は隠しきれなかった。

 ◆山口俊(やまぐち・しゅん)1987年(昭62)7月11日生まれ、大分県中津市出身。柳ケ浦で甲子園に2度出場。05年高校生ドラフト1巡目で横浜に入団。06年6月29日の巨人戦で初登板初勝利。12年に史上最年少で通算100セーブを達成。14年途中から先発を務め、16年に自己最多の11勝。同年オフにFAで巨人へ移籍。今季年俸は8000万円(推定)。187センチ、97キロ。右投げ右打ち。

 ◆日本野球機構(NPB)の井原敦事務局長はこの問題で巨人から報告を受けたことを明らかにした。今後の対応については「まだ詳細が分かっていない。球団の調査を待ってから」と話すにとどめた。