緊急先発の巨人高木勇が投打奮闘も連勝止まる

5回裏中日2死二塁、斎藤コーチ(中央)から交代を告げられた高木勇(右)(撮影・前岡正明)

<中日6-1巨人>◇18日◇ナゴヤドーム

 巨人が思わぬアクシデントで足止めを食らった。予告先発の登板を回避した山口俊の代役として、高木勇人投手(28)が中日14回戦(ナゴヤドーム)で緊急登板。5回途中2失点と踏ん張ったが中継ぎ陣が打ち込まれ計6失点。打線も1得点で連勝が4でストップした。前半戦終盤から投打がかみ合い、この試合前まで10試合は8勝2敗。そんな最中のトラブルで、追撃態勢に水を差された。

 巨人が取り戻しつつあった勢いや明るさが一転、影を潜めた。初回のマウンドには前日に予告されていた山口俊ではなく、高木勇が上がった。5回途中2失点と踏ん張ったが、後続が中日打線につかまった。前日まで鳴り響いた打撃陣の快音も、つながらない。5連勝を狙って挑んだ一戦に、1-6で完敗。高橋監督は「なかなか点が取れなかった」と敗戦を受け止めた。

 試合前、不測の事態に見舞われた。山口俊の登板回避により、高木勇は午後1時過ぎにチーム宿舎で行われたミーティングで、代役を告げられた。今季の先発は負傷降板した4月19日ヤクルト戦のみ。「自分にはチャンス。必死に結果を出そう」と、努めて前を向いてマウンドに立った。

 テンポ良く投げ込み、初回から3回までパーフェクトで進めた。4回無死一塁で、亀沢の犠打を捕球した小林の一塁悪送球で先制点を献上。5回に福田に勝ち越しソロを浴び、その後に降板した。だが5回の打席では2死から右前打を放ち、長野の二塁打の処理を右翼手松井佑がもたつく間に一気に同点のホームを踏むなど、投打で全力を注いだ。「反省、悔しさはすごくある」と唇をかんだが、指揮官は「味方のエラーもあったし実質、本塁打の1点ですから」とねぎらった。

 高木勇の健闘むなしく、劣勢ははねのけられなかった。2番手中川以降、桜井、篠原がいずれも失点。中継ぎの高木勇が先発に回ったことで早めの継投となり、西村-マシソン-カミネロにつなぐ継投プランの変更を余儀なくされた。打線は8回の坂本勇以外は先頭打者が出塁できず、好機を生み出せなかった。前日17日は長野の2戦連続先頭打者弾などで5-1と快勝し、後半戦を好発進した巨人の連勝が止まった。【浜本卓也】

 ◆予告先発 パ・リーグが83年から開幕戦や日曜などに限定して実施し、94年からリーグ全試合で採用。セは94年に限り日曜全試合と双方が合意した巨人-広島戦で実施し、12年から全試合で採用。CSはパだけ実施。