楽天ペゲーロ3戦連発、チームは日本一以来貯金27

日本ハム対楽天 6回表楽天1死、右越え本塁打を放つペゲーロ(撮影・黒川智章)

<日本ハム1-5楽天>◇18日◇函館

 強い。後半戦も勢いは止まらない。楽天カルロス・ペゲーロ外野手(30)が、日本ハム11回戦(函館)の6回、3戦連発となる21号ソロを放ち、試合を決めた。先発辛島航投手(26)も6回1失点の内容で、7勝目を挙げるなど後半戦開幕戦を快勝した。今季2度目の5連勝をマークで、貯金は13年以来の「27」となった。

 15分ほど歩けば、函館湾が見える。潮をまとった海風が、左翼から右翼に吹き荒れた。ペゲーロの放った打球は、その風に乗って高々と舞い上がった。通称・オーシャンスタジアムと呼ばれる球場に描かれた放物線は、右翼スタンドの上段へと着弾した。1点リードの6回1死から、日本ハム先発・有原の甘く入ったカットボールをフルスイングで仕留めた。「ちょっと詰まったけどね。得点が欲しいところで、入ってくれて良かった」と言った。

 これで3戦連発と、後半戦も勢いは止まらない。今季21本目に「連続とかは気にしていないよ」と素っ気ないが、1点差に詰められた8回無死満塁からは右前に適時打を放つなど5打数3安打2打点の内容で、恐怖の2番打者として仕事をキッチリ果たした。梨田監督も「あの1発はすごく大きかった」と評価した。

 助っ人の活躍に刺激されたのか、選手会長も奮闘した。3点リードとなった8回1死満塁の好機で、銀次が左前に適時打をマークした。前夜は函館名物の横町で、塩ラーメンを食べた。「何か食べたくて。普通においしかった」。おかげで心身ともに状態は完璧だった。6回4安打1失点の先発辛島は、前夜に名物のイカに舌鼓を打った。チーム全体で函館を満喫しながら、後半戦初戦を見事に勝ちきった。

 今季2度目の5連勝で、貯金は今季最多の「27」にまで伸びた。日本一となった13年以来、4年ぶりとなる球団最多タイの数字だ。喜ばしい中、梨田監督は「勝つことに越したことはないけど、まだそういうことは。ギリギリでやっていますから」とあくまで平常心を強調した。この日から、7週連続で6連戦が待っている。「1日、1日をしっかり戦うだけ」と同監督。一戦必勝で、戦うだけだ。【栗田尚樹】