DeNA筒香2位タイ弾、4・1以来の浮上

7回表DeNA無死、右越えにソロ本塁打を放つ筒香(撮影・上田博志)

<阪神0-1DeNA>◇25日◇甲子園

 夏だ、甲子園だ、筒香の季節だ。DeNA筒香嘉智外野手(25)が、同点の7回無死から、2試合連続となる決勝の15号ソロを放った。聖地甲子園での本塁打は今季2本目。先発の今永昇太投手(23)は7回2安打8奪三振で無失点に抑え、無四球でチームトップの7勝目をマークした。投打の軸が活躍し2位阪神に快勝。阪神と同率ながら、開幕2戦目の4月1日以来となる2位に浮上した。

 甲子園を黄色に染めた4万6639人が静まり返った。7回無死、筒香が初球、真ん中高めに入った141キロの失投を逃さない。右翼から左翼へ、甲子園特有の浜風が強く吹く中、逆風をものともしない打球がグンと伸びる。「当たりは、自分の中ではいい当たりでした」と、虎党の悲鳴が響く右翼席にたたき込んだ。

 勝てば4月1日以来の2位浮上となる一戦は、序盤から今永と阪神岩貞の投げ合いが続いた。6回まで両チーム無得点の中、主砲の一振りで試合を決めた。23日の巨人戦でのサヨナラ本塁打に続く、ストロングスタイルでの勝利に、ラミレス監督は「本当に1本のホームランで試合が決まった。筒香が打席に立つと、何かしてくれると思っている」とご満悦だった。

 甲子園での本塁打は、今季1号に続く2本目で、プロ入り通算3本目になった。高めの直球を捉えた1発だが「上からたたくという感覚はない。強い打球を打つだけ」と言う。横浜高2年時の08年夏の甲子園で2本塁打を放ち、一躍高校球界のスターになった聖地。当時を振り返り「ホームランを意識するバッティングは教えられていない。そういう高校ではない」と言った。とにかく強い打球を打つ。母校が神奈川大会準決勝進出を決めた日に筒香も原点通りのバッティングで勝利に導いた。

 試合前には、中学時代を過ごした堺ビッグボーイズのグラウンドオーナーが甲子園のベンチに激励に訪れた。筒香のような選手になりたい少年たちと握手を交わし、肩に手を添えて、丁寧に記念写真に納まった。みんなが憧れる日本の主砲は「ラミレス監督も言うように、シーズンをどう終わるかが大事。やることは変わらない。1試合1試合勝っていくだけ」と、2位浮上にもいつも通りの言葉を繰り返した。【前田祐輔】

 ▼DeNAは筒香の本塁打で1-0勝利。筒香の1-0決勝打は11年9月23日広島戦の左2、17年4月25日阪神戦の右安に次いで3本目で、1-0本塁打はプロ入り初めてだ。23日巨人戦ではサヨナラ本塁打を放っており、2試合以上続けてVアーチは16年7月19、20日ヤクルト戦、22日巨人戦の3試合連続以来2度目になる。これでチームは4月1日以来の2位。球宴後の2位は15年7月20日以来だが、この時は後半戦初日で86試合目。89試合以上消化して2位は横浜時代の00年9月15日(120試合目)以来、17年ぶり。