広島、鈴木誠也から3発 今季巨人戦勝ち越し決めた

巨人対広島 1回表広島2死一塁、中越え2点本塁打を放ちナインとタッチする鈴木(撮影・たえ見朱実)

<巨人2-7広島>◇26日◇京セラドーム大阪

 3発で巨人を粉砕した。広島鈴木誠也外野手(22)が1回にバックスクリーン右に運ぶ19号2ランを放ち先制。3回には丸佳浩外野手(28)が右翼5階席まで運ぶ豪快な2ランを放って追加点を挙げた。8回にはエルドレッドが22号ソロで仕上げの1点。他にも足を絡めるなど8安打7得点の効率の良さで今季の巨人戦勝ち越しを決めた。

 外角の直球に踏み込み、鈴木がバットをしならせた。1回2死一塁。カウント1-2からの4球目だ。打球はきれいな放物線を描き、バックスクリーン右に着弾。今季19号は先制の決勝2ラン。「いい打撃が出来ました。先制点になってよかったです」。ただ1発の結果よりも、鈴木は初球の空振りに意味を持たせた。

 巨人先発畠は直球が速く、スライダーが決め球。「直球が速いのは分かっていた。初球から振っていこうと思っていました。本塁打にならなくても、自分が決めたことをやれたのがよかった」。初球は146キロの直球を空振り。心に決めたことを実行。結果にもつながった。前日25日の4打数無安打1併殺の悔しさを、初回から晴らしてみせた。

 特大弾で呼応したのは丸だ。4回2死二塁。2ボールからの3球目を右翼スタンド5階席まで運んだ。珍しく打った後にゆっくり走り始めるほどの感触。「久々にいい当たりが打てました。浅いカウントから甘い球をどんどん振っていこうと思っていた」。広島打線は畠に11三振を奪われたが、甘い球は絶対に逃さない。効果的に得点し、主導権を握り続けた。

 5回には2死一塁から一塁走者菊池が二ゴロ失策の間に一気に生還。足も絡めて追加点を奪った。8回はエルドレッドが22号ソロを放ちとどめを刺した。8安打7得点の効率的な攻撃で4連勝。今季の巨人戦の勝ち越しを決め、貯金を27まで増やした。広島が止まる気配は、ない。【池本泰尚】

 ▼広島が今季巨人戦を13勝3敗とし、このカードは9試合を残し勝ち越し。85~88年(4年連続)以来の巨人戦3年連続勝ち越しとなった。広島は最短で29日に優勝へのマジックナンバーが点灯。条件は広島が27日から3連勝、DeNAが27日阪神、29日巨人に連敗、阪神が28、29日中日戦に連敗でM38が出る。