ヤクルト3戦爆発31点、バレンティンは3戦4発

4回裏ヤクルト2死一、三塁、3点本塁打を放ったバレンティンは、夜空を見上げながら本塁へ向かった(撮影・中島郁夫)

<ヤクルト11-2中日>◇27日◇神宮

 ようやくヤクルト打線が目を覚ました。中日に11-2で勝利し、今季初の同一カード3連勝。先発野手全員安打&3試合連続の2桁安打と打線が爆発した。主砲ウラディミール・バレンティン外野手(33)は2打席連続の本塁打で5打点と大暴れ。3戦連発で7月は9本塁打と調子を取り戻してきた。5位中日とは6・5差。まだ開きがあるが、前夜26日には10点差をひっくり返すなど、竜をのみ込む勢いだ。

 主役は3番バレンティンだった。3回無死走者なし。中日小熊の初球、137キロシュートを完璧にとらえた。打った瞬間フェンス越えと分かる打球は左翼スタンド上段へと突き刺さる。「チョー気持ちいい」と自画自賛の3戦連発となる17号ソロで、ノッた。

 続く4回、2死一、三塁。再び回ってきた打席で集中力は極限まで高まっていた。「積極的に打つのが点数につながっている」。またしても初球、甘く入った131キロスライダーを逃さなかった。今度は右中間に突き刺さる2打席連続の18号3ラン。「時期的なもの。タイミングの取り方も良くなった」と7月に入り9本塁打目の1発を喜んだ。

 若手の姿が心に火を付けた。中日との3連戦でチームは31得点。3試合で9打点と大暴れのバレンティンは「みんなが打ち出したし、それに乗せられている」。この日も4回は若手の2番山崎、8番奥村が粘り、出塁。「ケガで戦力を欠くが、若い選手が埋めてくれている。何とか塁に出ようとするから、何とかかえそうと。一生懸命が伝わる」とバットを握る手に力が入る。

 ファンの声援も後押しになる。借金25で最下位に沈むが、この日も2万9206人が来場。満員大入りで球場は緑色一色に染まった。「モチベーションになる。来てくれたお客さんが求めるゲームをしないといけない」と気合が入る。杉村チーフ打撃コーチも「見事集中力がすごい。WBCみたい」とオランダ代表で打率6割を超え、WBC4強に導いた頃の姿に戻ってきたと目を細めた。

 真中監督は「若い子も必死にプレーしてるのに、のる形。みんなも影響を与えられている」と若手の頑張りと主砲のプライドが好循環していると評価。バレンティンは「また明日ね」と今日28日からの広島戦での大暴れを誓った。3試合連続2桁安打と大爆発し始めた燕打線。セ・リーグに嵐を呼ぶ。【島根純】