広島中村祐2軍 緒方監督、期待の右腕におかんむり

4回裏途中、4失点で降板する中村祐(撮影・たえ見朱実)

<巨人4-3広島>◇27日◇京セラドーム大阪

 マジック点灯目前の広島投手陣に危機だ。先発中村祐太投手(21)が3回1/3、5安打4失点で降板。逆球が多く、巨人打線につかまった。6月4日の白星から遠ざかり、試合後緒方孝市監督(48)は出場選手登録を抹消し2軍再調整を決めた。故障で離脱したジョンソンを含め6人中2人がローテから脱落する危機となった。

 バスへと向かう緒方監督の語気はいつになく荒かった。背信の中村祐の評価について質問が飛ぶと、はっきりと言った。就任直後から期待を寄せ、1軍でも使ってきた若手右腕だ。期待の裏返しからか、普段は選手をほめる指揮官らしからぬ口調でまくし立てた。早々と2軍降格を決め、今季一番とも言えるほど、厳しく突き放した。

 緒方監督 評価はないよ。逆球ばっかり。投げきれんのやから。ローテ? 外す、外す。中継ぎを入れんと。ゲームを作れん投球をされたら、中継ぎに負担がかかるばっかしやから。もう1回2軍から出直してもらう。

 ことごとく打ち返された。1回は坂本勇に内角高めを先制ソロにされた。味方打線が逆転した後の4回にはマギー、坂本勇に連続の中前打。無死一、三塁からの阿部には、初球のカーブが大きく外れた。タイムをとり、会沢と内野陣が声を掛けたが、冷静さを取り戻すことはできず。カウント2-2から真ん中の直球を打たれ、逆転の2点適時二塁打を浴びた。陽岱鋼にも中前適時打を浴びてKO。試合後、右腕は視線を落とした。

 中村祐 弱気になった自分がいた。情けない。悔いが残る。足元を見つめて修正したい。

 やってもらわないといけない存在だった。エース格のジョンソンが22日のランニング中に痛みを訴え「左ハムストリングス筋損傷、加療3週間」と診断された。今日28日のヤクルト戦(マツダ)にはロングリリーフを務めていた九里を代役で送り出すことが決まっていた。中村祐は先発6番手とはいえ、ローテに空いた2つの穴を埋めるのは簡単ではない。代役には2軍から福井や中村恭、戸田、加藤らが候補に挙がるとみられるが、決め手に欠くのが現状だ。マジック点灯目前の広島。一方で投手陣は踏ん張りどころを迎えた。【池本泰尚】