中日谷元、超ドタバタ異例の駆け込みトレード

日本ハムから移籍の谷元は笑顔で入団会見(撮影・前岡正明)

 異例の駆け込みトレードが成立した。中日がシーズン中の移籍期限にあたる7月31日、日本ハム谷元圭介投手(32)を金銭トレードで獲得したことを発表した。背番号は「60」。前日30日の午後9時過ぎに移籍を伝えられた谷元は野球道具を東京に残したまま、この日名古屋入りして会見した。今季中のトレードと新規契約が可能な期間がこの日、終了。巨人と楽天が最終日に支配下契約を結び、今季は14選手が育成選手から支配下選手に昇格した。

 電撃トレードらしい、ドタバタの移籍会見になった。谷元は「突然のことで本当に驚いて、びっくりしている。今日は東京ドームで試合があるものだと…。求められてのトレード。中日のために、取ったことを後悔させないように一生懸命投げたい」。戸惑いながらも、意気込みを語った。

 会見前日の7月30日、福岡での試合を終え空路で東京入り。午後9時過ぎに羽田空港で日本ハムのマネジャーに呼び止められ、トレードを告げられた。この日は、野球道具を東京に残したまま名古屋入り。会見後は東京ドームに移動し、日本ハム関係者にあいさつ。さらに今後は荷物整理のため北海道へ。準備を整え、早ければ3日DeNA戦(横浜)に1軍合流する。新天地にやってきた谷元は「まだユニホームもできていない。(チーム名のない)白いユニホームで投げるわけにはいかない」と苦笑いした。

 14年から3年連続で50試合以上に登板。昨年はリーグ制覇に貢献し、日本シリーズでは胴上げ投手となった。9年目の今季は通算100ホールドを達成。球宴にも初選出された。実績ある右腕の、シーズン途中での金銭トレード。期限ギリギリの成立で驚かせた。

 中日は3位DeNAに8・5ゲーム差の5位に低迷しているが、森監督はCS進出の望みを捨てていない。西山球団代表は「監督、コーチから要望もあった。うちにとって願ってもない人」と説明。又吉、岩瀬、田島の勝利の方程式に、谷元を加えたブルペン陣で大逆転のAクラス入りを狙う。【宮崎えり子】

 ◆谷元圭介(たにもと・けいすけ)1985年(昭60)1月28日、三重県生まれ。稲生では甲子園出場なし。中部大ではエースとして愛知大学野球リーグ06年春、秋のベストナインを獲得。社会人バイタルネットに進み、08年10月に日本ハムの入団テストを受け、同年ドラフト7位で入団。今季は36試合に投げ0勝2敗1セーブ21ホールド。今季年俸は1億円(金額は推定)。右投げ右打ち。167センチ、72キロ。