巨人阿部3500塁打 王、長嶋、川上に続き4人目

ヤクルト対巨人 1回表巨人無死、阿部は中前安打を放ち通算3500塁打を達成し、つば九郎から花束を贈られる(撮影・柴田隆二)

<ヤクルト7-5巨人>◇3日◇神宮

 巨人阿部慎之助内野手(38)が、2000安打より難関の3500塁打を先に達成した。ヤクルト戦で初回に中前打を放ち、史上29人目の3500塁打に到達。6、9回にも安打を重ね、2戦連続猛打賞で2000安打までは残り8本とした。試合は逆転負けで連勝は5で止まったが、巨人生え抜きでは4人しか成し遂げていない偉業も目前。今日4日から2カード連続で本拠地東京ドームでの開催で地元達成の夢が膨らんできた。

 1本の線のようなきれいな弾道が、左中間に飛んだ。9回1死、阿部の第5打席。ルーキのフォークをバットの芯ではじき返したライナーが、左中間で弾んだ。この日3本目の安打で2試合連続猛打賞をマーク。2000安打まで、残り8本と1ケタに突入した。

 もう1つの記録達成で追い風に乗った。1回の第1打席での中前打で、史上29人目の通算3500塁打を達成。ヤクルトのマスコットつば九郎から花束を受け取った。「どうもありがとうございます。(数字には)ピンとこないですね」と笑顔で周囲に感謝した。

 3500塁打も、目前の2000安打も、日ごろの積み重ねが礎になっている。右膝を負傷して2軍でリハビリ中だった6月下旬、当時巡回打撃コーチだった内田2軍監督から竹のバットを使うよう助言された。

 芯で捉えられなければ、すぐに感覚で分かる。だからこそミートの意識が高まる。高校生はよく使うが、プロとなればあまり使うこともない。原点に返るような練習を重ね、1軍復帰時にも持ち込み、振り込む時期もあった。この日の3安打は、いずれも中堅から逆方向。磨いてきたミート力のたまものだった。

 8月は3試合で7安打。ペースアップする“秘密”もある。子どもが2000安打のカウントダウンカレンダーを残り50本から作製。遠征中だと、子どもたちはめくって写メを送ってくる。打てない日は、長男成真くん(5)から「パパが打ってくれないと早くめくれないよ」とペースアップを促される。そんな愛のこもったカレンダーも、残り8枚となった。

 今日からは中日戦、阪神戦と東京ドームでの戦いが計6試合も続く。この日の逆転負けで連勝が5でストップし、阿部は「勝てなかったのは残念。ドームで決めたいね」と結んだ。マジック8。巨人阿部慎之助が生まれ育った本拠地で、一気に決める。【浜本卓也】

 ▼通算3500塁打=阿部(巨人) 3日のヤクルト16回戦(神宮)の1回、星から中前打を放って達成。プロ野球29人目。巨人では王5862塁打、長嶋4369塁打、川上3500塁打に次いで4人目。初塁打は01年3月30日の阪神1回戦(東京ドーム)。