日本ハム宮西250ホールド達成 後進の道しるべに

250ホールドを達成し記念ボードを手に笑顔の宮西(撮影・黒川智章)

<ロッテ2-3日本ハム>◇3日◇ZOZOマリン

 プロ10年目の鉄腕が、球史に新たな1ページを刻んだ。日本ハム宮西尚生投手(32)が、ロッテ16回戦でプロ野球史上2人目、パ・リーグでは初の通算250ホールドを達成した。2点リードの6回に2番手で救援し、1イニングを3者凡退に抑え、今季18ホールド目で節目に到達。4連敗中だったチームの勝利に貢献した。

 胸に「250HOLDS」の文字。記念のTシャツを着た宮西が花束を受け取った。記念ボードを掲げ無数のフラッシュを浴びた。7月2日ロッテ戦での王手から1カ月。「ようやくという感じ」と安堵(あんど)感を漂わせ「技術的にも他のピッチャーに劣る。こつこつやってきたこと」。プロ10年目。歩んできた道のりが節目の数字として残る喜びをかみしめた。

 2点リードの6回、先発加藤からバトンを受けた。ホールドシチュエーションでマウンドへ。2死から福浦に直球勝負。136キロで遊ゴロに仕留め、1イニングを3者凡退で締めた。ビハインドでは記録されない、仲間の奮闘があってこそ手にした「あと1つ」。「チームメートがこういうシチュエーションをつくってくれて250ホールドを取れたことを本当にうれしく思う」と感謝した。

 自身を高めた「ホールド」の存在。96年からパ・リーグが採用し、05年からセ・パ両リーグが新規定で運用を始めた。08年のプロ入り直後は「俺も知らなかった」と明かす。「セーブと同じシチュエーションとか、野手でも知らない人が多い。世に知らせたい」。昨年、200ホールドを達成し連盟から表彰された。そこで目指すべき道がはっきりした気がした。

 夢がある。「中継ぎを目指してプロに入る人がおってもいい」。自らも先発に意欲を示し、プロの世界に飛び込んだが、厚沢コーチにセットアッパー役を勧められた。ホールドの知名度を上げ、価値を高め、これからプロを目指す後輩たちへの道しるべになっていく。

 先発登板は0。中継ぎのスペシャリストの次なる目標は、前人未到の300ホールド。「1試合、1試合、チームに貢献していきたい」。しみじみ喜びを実感しながら、喜びを伝えたい人を尋ねられると「えっ、誰もいないです。自分で酔いたいなと思います」とおどけて球場の笑いを誘った。左腕は誇りと夢を胸に、マウンドに立ち続ける。【保坂果那】

 ◆ホールド 自チームが3点以内のリードで1イニング以上投球し、リードを保ったまま登板を終えるなどの条件を満たした投手に記録される。

<宮西の勲章>

 ◆50試合以上登板 パ・リーグでは最長の入団以来9年連続の50試合以上登板を継続中。10年連続を狙う今季は残り16試合としている。球界最長は中日岩瀬が13年まで続けた15年連続。

 ◆通算登板 通算登板数557は球団史上最多。今年、これまで最多だった武田久(534試合)を抜いて歴代1位に躍り出た。

 ◆タイトル ホールド数と救援勝利数を合計したホールドポイント(HP)で、16年にリーグ最多の42HP。最優秀中継ぎのタイトルを獲得した。