<阪神3-0ヤクルト>◇4日◇京セラドーム大阪
ホンマすっきりしたわ~。阪神中谷将大外野手(24)が打った瞬間にそれと分かる、豪快な12号2ランで先発メッセンジャーを援護した。ヤクルトの失策が絡んで1点リードしていたものの、先発ブキャナンを打ちあぐねていた7回に価値ある1発。この日の練習で金本監督からもらったアドバイスが早速、形になって表れた。
ホレボレするような放物線だった。5番中谷が勝利を引き寄せるチームトップの12号2ランを放った。1-0の7回無死二塁。カウント1-1から先発ブキャナンの148キロ内角球を迷いなく捉えた。阪神ファンの声援に押されて舞い上がった打球は、左翼席中段に着弾。バットを放り投げた若き大砲は、打球の行方を確認し、気持ちよさそうにダイヤモンドを1周した。
「いい感じで打てた。ずっと捉えきれていなかったストレートを打つことができて良かったです」
序盤から息の詰まるような投手戦だった。ブキャナンは150キロ近い直球を軸に虎打線を圧倒。5回攻撃前にはベンチ前で円陣が組まれ、ようやく鳥谷のチーム初ヒットが生まれた。どっちに転んでもおかしくない展開で巡ってきた打席。金本監督は「バントとか右打ちも頭にあった」と、振り返ったが、最終的な選択は「打て!」だった。
歓喜のアーチから数時間前。練習開始のタイミングだ。中谷は右翼付近で金本監督に呼び止められた。「テークバックのタメが最近なくなっていた。そこを意識したら、と」(金本監督)。わずか30秒ほどの出来事。身ぶり手ぶりのアドバイスが、すぐに形になって表れた。
常に目をぎらつかせる。バットを握っていなくてもそれは同じだ。5回。四球で出塁すると、続く鳥谷の中前打を中堅山崎が後逸。迷わず三塁へ走り、カバーした左翼バレンティンの三塁悪送球で一気に本塁を陥れた。先制点も中谷の貪欲な姿勢から生まれていた。
完封劇を演じたメッセンジャーとともにお立ち台に上った。いつも表情を崩さない中谷だが、メッセンジャーから「スバラシイネ!」と日本語で働きを褒められると、ようやく笑顔に。「もっともっと上を目指して1日1日、1打席1打席、悔いなくやっていくだけ」。24歳の放物線には虎党の夢が詰まっている。【桝井聡】
▼中谷がチームトップの12号本塁打を放ち、同2位の福留に2本差をつけた。阪神の日本人選手がチームの年間最多本塁打者となれば、15年福留の20本塁打以来で、右打者に限れば11年新井貴浩の17本塁打以来。生え抜き右打者となると、00年新庄剛志28本塁打以来、17年ぶりとなる。