西武大逆転Vへ14勝1敗「炎獅子ユニ」が奇跡呼ぶ

防御率1位の西武菊池(17年8月3日撮影)

 縁起物でミラクルを後押しする!? 西武が着用初日の7月21日から破竹の13連勝をマークした期間限定「炎獅子ユニホーム」の9月再着用を検討している。ここまで着用試合は14勝1敗で、勝率は驚異の9割超え。最大11あった首位とのゲーム差も5・5まで縮まった。9年ぶりの大逆転Vへ、あやかれるものには、がっちりとあやかる。

 勢いに乗る赤い獅子。球団も援護射撃に乗り出した。「炎獅子ユニホーム」は今月17日までの期間限定だったが、大型連勝を飾った縁起の良さとファンからの声もあり、再着用を検討。井上事業部長は「今後の展開はファンの声をしっかり感じながら考えていきたい」と話すにとどめたが、9月16日ソフトバンク戦からの本拠地6連戦が有力。同13日から敵地で戦う楽天2連戦も含め、勝負どころでの“復活”を検討中だ。

 今回のデザインは松崎しげるが歌う球団歌「地平を駈ける獅子を見た」からイメージされた。2番の歌詞「空青く、風白く、地は緑、炎の色の獅子を見た」が由来。79年の西武ライオンズ誕生年に生まれ、今も7回の攻撃前に流れる。ファンになじみ深い歌をモチーフとすることで「球場内の一体感を創出」(井上部長)し、より力強く応援する雰囲気を醸成してきた。

 その真っ赤に染まったスタンドが連勝の大きな後押しとなった。辻監督も「日本シリーズのような盛り上がりで本当にありがたい」と感謝する。ユニホーム発表当初は、ファンから「なぜ赤なのか」といった厳しい意見も届いたが、今や一変。「かっこいい」「続けて着用してもらいたい」という声が多く寄せられるようになったという。

 もちろん、ユニホームで勝てるわけではない。ソフトバンク、楽天との三つどもえに持ち込むには、下位相手の取りこぼしは許されない。今日8日のオリックス戦に先発する十亀は「上に上がるためには、どこのチームもたたかないと」と引き締めた上で、「縁起が良いことはいいこと。担げるものは担ぎたいですね」と“炎獅子”効果? にも期待を込めた。

 球団歌のサビの歌詞は「ミラクル元年 奇跡を呼んで」。連勝街道は5日ソフトバンク戦で13で止まったが、翌6日の同戦は快勝。首位相手に勝ち越しを決めた。「炎獅子ユニホーム」を再着用する9月まで、この勢いに乗り続ければ-。ミラクル辻元年。大逆転Vの奇跡を呼ぶかもしれない。【佐竹実】