30年ぶり珍事!楽天-1差首位、ソフトバンク陥落

戦況を見つめる19安打17失点のソフトバンク投手陣の、左から石川、嘉弥真、森、岡本、1人おいて寺原。右から2人目は甲斐(撮影・松本俊)

<ロッテ17-8ソフトバンク>◇8日◇ZOZOマリン

 ソフトバンクがロッテに敗れて首位から陥落した。首位を譲った楽天とは「マイナス1差」という30年ぶり珍現象を招いた。先発した石川柊太投手(25)が4回途中8失点KOの大誤算。初登板だったZOZOマリンの風に苦戦し、5四死球の乱調だった。左手親指骨折の内川聖一外野手(35)の離脱期間が、当初の予定よりも長期化することも、判明。レギュラーシーズン中の復帰は絶望的という。弱り目にたたり目の1日となった。

 工藤監督は珍しく語気を荒らげた。「今日は各担当コーチに聞いてくれ。打撃は頑張ったが、投手コーチに聞いて」とバスに乗り込んだ。石川が、先発転向後最短の3回1/3、8失点でKOされ、今季4度目の首位陥落。最下位ロッテ相手に今季ワーストの17失点では無理もなかった。

 石川は変化球の制球が定まらず、直球も常時出るはずの150キロに1球も達しない状況。「どこか痛いわけではないのに、球が行かなくなった。申し訳ない。どうしようもない」と首をひねった。倉野投手統括コーチは「今年が初めての1軍。このまま1年間ローテーションを守りきれるとは思っていない」と話し、石川の次回先発は再検討となった。

 左手親指を剥離骨折した内川の離脱期間が、当初の予定よりも長期化することも判明。7月23日のロッテ戦で打球をはじいた際に負傷。全治6週間と診断されていたが、6週間は患部を固定しなければならない状況だという。通算2000安打まであと30本に迫りながら、レギュラーシーズン中の復帰は絶望的。工藤監督は「思ったよりも時間がかかるという話は聞きました。今いるメンバーで最善を尽くすということです」と試練を受け入れた。

 チームは東浜、バンデンハークに続く先発が不安定。千賀も長い回を投げられていない。登板するたびに足がつる武田も次回先発は未定。中継ぎ陣も疲労困憊(こんぱい)だ。加えて主軸打者の復帰もなくなった。V逸した昨年は8月に11勝14敗と負け越し失速した。エース和田が復帰する8月下旬まで、なんとか踏ん張りたい。【石橋隆雄】

 ▼パ・リーグは貯金27の楽天が勝率6割4分8厘で1位、貯金29のソフトバンクが勝率6割4分4厘で2位と、両チームはマイナス1ゲーム差。1位と2位がマイナス1ゲーム差は87年6月24日のセ・リーグ以来、30年ぶり。前回は1位広島が貯金16の勝率6割7分4厘で、2位巨人が貯金18の勝率6割7分3厘だった。パ・リーグは82年5月3日以来で、8月以降では82年8月21日のセ・リーグ以来になる。過去には59年8月26日のパ・リーグで1位大毎が貯金31、2位南海が貯金34と、マイナス1・5ゲーム差のケースもある。