広島鈴木、八木KO弾も無念サヨナラM再点灯ならず

中日対広島 2回表広島2死一、三塁、鈴木は左越え3点本塁打を放つ(撮影・前岡正明)

<中日6-5広島>◇10日◇ナゴヤドーム

 広島が優勝マジック再点灯を逃した。中日18回戦(ナゴヤドーム)で5-5の9回、守護神今村猛投手(26)がサヨナラ打を浴びた。勝てばマジック31が点灯していたが、これで9カードぶりの負け越しとなった。それでも、若き4番鈴木誠也外野手(22)が24号3ランを放つなど、苦戦続きだった八木智哉投手(33)を2回5失点でKOした。

 打球が二遊間を無情に抜けた瞬間、広島の今季3度目のサヨナラ負けが決まった。5-5の9回裏、1死三塁から大島の投手右への打球に、今村が反応してグラブを下げるも、球足が速い打球はその下を抜けて行った。勝てば再点灯していたマジックもなくなり、9カードぶりの負け越しとなった。

 序盤は広島の流れだった。相手先発は八木。中日に移籍した15年からこのカード4勝を献上し、土をつけたのは2度だけ。対戦防御率1・47と苦手にしていた左腕をわずか2回でKOした。1回2死から連続四球で一、二塁とすると、八木の隙をつくようにエルドレッドは初球狙いで中前へ先制タイムリー。さらに一、三塁では新井が追い込まれながら、外角低めシンカーにバットを合わせて右前に落とした。

 2回は2死一、三塁で鈴木は内角球を強振。左翼席に飛び込む3ランで中日を突き放した。前日まで2試合連続1得点の打線が鬱憤(うっぷん)を晴らすように2回までに5得点。機動力あり、連打あり、1発ありと、広島らしい攻撃を展開した。

 ただ、先発九里が流れを手放した。毎回先頭の出塁を許し失点を重ねる投球が、攻撃のリズムも狂わせた。3回から9回まで2安打。5回途中から九里の後をうけた中継ぎ陣が何とか粘るも、抑え今村が9回先頭の代打谷の二塁打からピンチを招いた、最後は大島にサヨナラ打を浴びた。

 足踏みも悲観することはない。打線には復調気配がある。負傷でスタメンから外れていた安部が代打出場。前日は松山が代打出場した。今日11日に阪神が敗れ、広島が勝てばマジックナンバー30が再点灯する。緒方監督は「(今村でも)打たれることもある。また明日(11日)、地元に帰ってしっかりと戦いたい」と本拠地マツダスタジアムでの再スタートを誓った。【前原淳】