巨人阿部2000安打感謝Tシャツに「ありがとう」

巨人阿部が2000安打達成への思い「ありがとう」を込めた記念Tシャツ

 慎之助が御礼打を見せる。巨人阿部慎之助内野手(38)が21日、借金返済と約3カ月ぶりの貯金を目指す今日22日からの中日2連戦に向けて名古屋入り。2000安打を達成し、自ら発案したサプライズグッズのTシャツに「ありがとう」の超シンプルな言葉を選択。感謝の思いをプレーでも体現し、Aクラス浮上へと導く。

 御礼の名古屋への旅となる。2000安打達成後、本拠地東京ドームの通路に祝いの花が無数に飾られた。岩隈、青木ら海を越えても届けられ、その中には今季同じく達成した荒木ら中日勢も含まれる。敵地広島で偉業を遂げ「あんなに(相手ファンからも)祝福されるとは思わなかった」と実感した。名古屋にも巨人、阿部ファンはいる。感謝の思いはバットで示すしかない。今季ナゴヤドームでまだ1発はないが、新たな目標400本塁打へ残り13本と迫り、カウントダウンにふさわしい球場になる。

 感謝は自ら提案した記念グッズにも表現されている。今月中に発売されるTシャツの胸のロゴは「ありがとう」の5文字。自分の子供用に名前の1文字をランダムに配列して、オリジナルTシャツを作るなど独特なセンスを持つ男が、あえてド直球なデザインにこだわった。

 「一番シンプルに率直な気持ちをファンの方々に向けて表したかった」。飾らない言葉が、阿部の心の奥底からの思いだ。サイズも子供も着られるように110センチから展開する。みんなに、ありがとう-。支えられて、金字塔を打ち立てたことを痛感している。

 一時期、13連敗を喫して最大借金11まで膨れ上がったが、前カードのDeNA戦で3連勝。3位DeNAとは2ゲーム差に迫り、借金1と完済目前。中日戦に連勝すれば5月26日の広島戦以来の貯金となる。「(貯金は)もちろん、そこがゴールではない。でも、まずは貯金というのを1つの目標にしてきた部分はある。そこをクリアすれば、もっと上が見えてくる」。感謝を推進力に、チームを押し上げる。【広重竜太郎】