広島鈴木誠也が骨折シーズン絶望も 監督は一丸強調

DeNA対広島 2回裏2死、戸柱の打球を捕球した鈴木は足を痛め担架で運ばれる(撮影・足立雅史)

<DeNA7-6広島>◇23日◇横浜

 広島鈴木誠也外野手(23)が、戦列を離れることになった。DeNA19回戦(横浜)の2回裏、右翼守備でジャンピングキャッチした際、着地時に右足首を痛めて途中交代。横浜市内の病院でエックス線検査とCT検査を受けた結果「右脛骨(けいこつ)内果剥離骨折」と診断された。今日24日にも広島に戻りチームドクターの精密検査を受ける見込みだが、シーズン中に戻れない可能性もある。連覇、そして日本一の奪還に向けて暗雲が垂れ込めた。

 首位を快走する広島に衝撃が走った。2回に右翼守備で負傷した鈴木が「右脛骨(けいこつ)内果剥離骨折」と診断され、戦列を離れることが決まった。長期離脱に至る可能性もある。

 鈴木はここまで全試合に出場し、4月25日からは4番に固定され強力打線を引っ張ってきた。この日も1回に丸の先制弾に続き、左翼席への特大の26号ソロアーチを描いた。リーグトップの打点は、この1発で2年連続大台となる90打点に乗った。2回の打席は右飛に倒れ、直後の右翼守備で悲劇は起こった。

 5点リードの2回裏。右翼鈴木は6番戸柱の右中間への打球に背走し、最後はフェンス際でジャンピングキャッチ。好捕したが、着地の際に右足首をひねった。その場で倒れ込むと、トレーナーと河田外野守備走塁コーチが駆けつけ、担架を要請。担架に乗せられたままベンチ裏に引き揚げた。

 3回の守備からは代わって岩本が右翼につき、鈴木は試合途中に横浜市内の病院へ向かった。タクシーに乗り込む際は「大丈夫っしょ」と明るい表情で気丈に振る舞ったが、エックス線検査とCT検査の結果は「右脛骨内果剥離骨折」。今日24日にも広島に戻り、チームドクターの精密検査を受ける見込み。全治はそこで明らかとなるが、長期離脱は避けられそうにない。今季絶望の可能性すらある。

 4番の負傷に追い打ちをかけるようにチームは2試合連続逆転負け。緒方監督は「こういう事態になってしまって、本人が一番悔しいだろう。うちはこういう時こそ、もう1回、チーム一丸となってひとつになって戦っていく」と離脱する鈴木を思い、そして強く決意した。連覇へ向けたマジックナンバーが点灯する中、緒方広島が正念場を迎えた。