体重激減DeNA梶谷、力の源は愛情満点チャーハン

10回裏、サヨナラ勝ちに笑顔を見せる梶谷(左から2人目)らDeNAナイン(撮影・足立雅史)

<DeNA7-6広島>◇23日◇横浜

 DeNAが逆・神ってるハマスタ劇場で、2試合連続サヨナラ勝利を収めた。2回まで5点ビハインドから追い上げ、9回に同点に追いついた。延長10回に梶谷隆幸外野手(28)がサヨナラヒットを放って7-6で勝負を決めた。前夜には史上初の「3連発サヨナラ勝利」を飾った横浜スタジアムで、連日の首位広島たたきで2連勝。猛暑の横浜でDeNAの勢いが止まらない。

 前夜の余韻がうねりをあげ、ハマスタ劇場のボルテージは最高潮に達した。10回無死一塁で、梶谷は右中間を割る打球を見送り「トバ、走ってくれーっ!」と願った。先頭で四球を選んだ一塁走者の戸柱が、上田三塁コーチが振り上げる腕を見て、ホームまで一気に生還。バントのサインがあってもおかしくない状況で、ラミレス監督は「打て」の強攻策。梶谷は「監督が僕を信じて打たせてくれたことがうれしい」と感謝した。

 最悪の立ち上がり。抜群の安定感を誇る先発ウィーランドが2回まで5失点の大乱調。想定外のビハインドだったが、そんな負け展開を超えて、4時間7分のドラマが待っていた。1点差まで追い上げた9回。4番ロペスが同点アーチを放った。前夜、史上初の「3連発サヨナラ勝利」に続く2夜連続同点弾。試合前から劇的勝利の余韻が漂う横浜スタジアムでは、点差なんて関係なかった。

 イケイケムードが漂う試合前、唯一の不安要素が梶谷だった。8月の打率は試合前で1割8分9厘と2割を切った。例年、試合を追うごとに体重が激減し、ラミレス監督も「疲れているようだ。1試合休ませていいかもしれない」と懸念していた。実際に開幕前の92キロから今は81キロ。それでも食が細くなることを心配した同い年の親友・宮崎からもらったチャーハンをナイターの後、家で食べて減少を抑えていた。「夕べも10時間くらい寝たし、疲れは感じていない」と指揮官の不安も払拭(ふっしょく)した。

 首位広島に2連勝で、目指すは今季初めてのホームでの3連勝。勝てば2位阪神の背中も一気に近づく。「明日ホームで3タテできればいいね」と同監督。そんな期待感が充満するハマスタ劇場で、今日もカープを迎え撃つ。【栗田成芳】