仙台大・馬場自己最多17K完封、さらなる進化披露

仙台大対東北大 9回表東北大2死、仙台大・馬場は3者連続で空振り三振を奪い完封勝利を飾る(撮影・佐々木雄高)

<仙台6大学野球:仙台大2-0東北大>◇28日◇第1節・最終日◇東北福祉大学野球場

 仙台大の最速155キロ右腕馬場皐輔(4年=仙台育英)がプロ6球団のスカウトたちの前で、より進化した投球スタイルを披露した。自慢の速球に縦横2種のスライダーとスプリットを交え、3者連続2度を含む自己最多の計17奪三振。2-0の3安打完封で東北大に連勝し、勝ち点ゲットに貢献した。

 2点リードの9回、それまで力をセーブしていた馬場がトップギアに切り替え、1番から始まる相手打線を切り捨てた。3回に続く3者連続の三振締め。最後は145キロの速球で空振りを奪い、無四球でリーグ通算11勝目を挙げた。馬場は「ストレートが抜けたり浮いたりして逆球もあったので50点。投手陣がテーマにしている無四球が一番の収穫」と自己評価は厳しい。

 2者連続三振でスタートした初回に、この日最速の150キロをマーク。3回のリーグ通算150奪三振を達成した後も勢いは止まらず、2回を除く毎回奪三振でこれまでの自己記録を5個上回った。さらにプロ6球団のスカウトの前で、今春からモデルチェンジしたニュースタイルを披露。「もう1つ上のレベルの投手になりたい」と初回からとばして体力が消耗する春までの投球を反省。「欲を出さないようにペース配分した」と自らの精神もコントロールする術も身につけた。元ロッテの坪井俊樹コーチから「どの球も一級品だからベースの上で勝負しろ」と助言され、ストライク先行のスタイルも貫いた。

 技術的にも飛躍した。平均球速が増した春は速球の制球に苦しんだ。辻本勇樹捕手(3年=北海)と一緒に、内角ストライクに10球連続で投げ込む練習を繰り返して制球を磨いた。自在に内角攻めを要求できるようになった辻本は「三振ばっかりで楽しかった」と好リードを振り返った。森本吉謙監督(42)も「1球1球のレベルは高い。意図した通りに投げられるかが課題でしたが、ストレートでも変化球でもストライクが取れるようになったので相手打線は的が絞りにくいでしょう」と頬を緩めた。

 「上で勝負したいので(大学生に)合わせるのではなく、社会人を抑えられるピッチングをしたい。もっと思い描く満足できるピッチングがしたい」。馬力アップした馬場の進化は止まらない。【佐々木雄高】

 ◆馬場皐輔(ばば・こうすけ)1995年(平7)5月18日、宮城県塩釜市生まれ。塩釜三小3年からリトルリーグ塩釜ドラゴンズで野球を始める。塩釜三中では七ケ浜シニアに所属。仙台育英では2年秋から背番号10でベンチ入り。同秋の県、東北大会に続き、明治神宮大会でも優勝し、翌春のセンバツ8強。春夏連続出場になった3年夏の甲子園は3回戦進出。仙台大では1年春の東北大2回戦に先発し、リーグデビューを白星で飾る。リーグ通算11勝5敗。右投げ右打ち。家族は両親と妹2人。180センチ、90キロ。血液型O。