巨人菅野は体心技で最多14勝 遠投でブルペン代用

3回、倉本の打球にグラブを出す菅野(撮影・中島郁夫)

<DeNA0-3巨人>◇1日◇横浜

 大熱投でAクラス再浮上に片手をかけた。巨人のエース菅野智之投手(27)が、3位DeNAとの直接対決初戦を制して自己最多の14勝目を挙げた。コンディション不良から8月26日の登板を回避し、中12日で挑んだ先発マウンド。7回115球で6安打2四球を許したが、無失点で粘り抜いた。試合は9回途中降雨コールド。DeNAとのゲーム差を、明日3日にも逆転可能な1・5差に縮めた。

 耐えて、粘って、菅野がいばらの道を切り開いた。2回の無死一、二塁を抑えた直後、3回には1死満塁のピンチに襲われた。中12日の先発マウンドは逆球が目立ち、直球もスライダーも高めに抜ける。苦しい時こそ「調子は見ての通りでした」と客観視した。ロペスと宮崎には丁寧な外角勝負。遊飛と二ゴロで切り抜けた。上空には一塁から左翼方向へ強風が吹いている。右打者には引っ張りを防ぎ、筒香ら左打者には強気に胸元を突いた。状況を読み、最善策を貫いた。

 調子不問で結果を出す。5回は打者3人の15球中、8球にカーブを選び3者凡退。「直球とスライダーを意識される中、(小林)誠司が考えてくれた。球種が多い強みを生かせました」と最後は筒香からカーブで空振り三振を奪い、マウンドに仁王立ちした。「調子が悪いときにいかに切り抜けるかです」。プロ5年間の集大成をつぎ込み、自己最多の14勝目に到達した。

 常識にとらわれず、信念を貫き、わが道を行く。中4日で登板した7月5日を始まりに、約2カ月の間は中12日の今回を除き、中6日でも登板2日前のブルペンに入っていない。

 菅野 夏場なので入りませんよ。それで不安に? なりません。僕にとってブルペンは大きな意味をもたない。心技体ではなく体心技。決まり事だからと投げて、体が疲れるなら入らない方がいいですから。

 2日前はブルペンの代わりに遠投で感覚を磨く。約20メートルでも捕手に座ってもらい、平地で投げてコーナーに全球種を制御する。「1球に対する精度が大事。集中して投げれば、遠投の何球かでもブルペンと同じ調整ができる」。世界相手のWBCを戦いながら、シーズン突入後も1度も登録を抹消せずにキャリアハイを刻む快進撃は必然といえた。「現状に満足はしていませんが、今季にかける思いはかなり強いですから」。Aクラス再浮上まで1・5差。絶対に負けられない戦いがここにもある。【松本岳志】

 ▼菅野が自身最多の14勝目を挙げた。6月終了時の菅野は13試合に登板して7勝4敗、防御率2・49だったが、7月以降は8試合で7勝1敗、防御率0・61。この8試合の失点は0、0、0、1、1、1、1、0と、すべて6回以上投げて失点が1点以下。4失点の内訳はソロ本塁打2本の2点、適時安打1点、暴投1点で、7月以降に許した適時安打は8月5日藤井(中日)の1本しかない。24勝0敗の13年田中(楽天)はQS率100%だったが、6回以上投げて1失点以下は7試合連続が最長で、8試合連続の菅野は田中を上回る安定感を見せている。