巨人畠「打者に考える時間与えない」5秒の投球動作

DeNA対巨人 7回を投げ抜き満足そうな表情でベンチへ引き揚げる巨人畠(撮影・中島郁夫)

<DeNA1-3巨人>◇2日◇横浜

 巨人がルーキーの好投でCS圏内に急接近だ。ドラフト2位の畠世周投手(23)が、3位DeNAとの直接対決第2ラウンドで初の中5日で先発。冷静な投球で7回を5安打1失点に抑え、自身4連勝となる5勝目を挙げた。チームも4連勝を飾り、DeNAには7連勝で0・5ゲーム差に迫った。今日3日に勝利すれば、5月29日以来の3位浮上となる。

 周りの景色は気にしない。見慣れた捕手小林のミットだけをめがけて腕を振った。味方が勝ち越してくれた直後の6回。畠が勝負どころに余力を注いだ。柴田は2球で遊直、筒香には4球目の内角直球で見逃し三振。最後はロペスを1球で捕邪飛に打ち取り、7球で3者凡退と完璧に流れを断ち切った。「絶対に流れを渡しちゃいけない場面。特に気合を入れました」。サインにうなずいたらすぐに両腕を顔の前に上げ、投球する。要求通りの球を全力で投げることだけを考え、初の敵地横浜を制圧した。

 捕手からの送球を受けた後は、5秒とたたずに投球動作に入る。「意識してやっています。打者に考える時間を与えないように」。余計な考えを捨て、やるべきこと1つに集中。青一色の敵地のど真ん中でも落ち着きをなくさなかった。

 日頃の性格は「落ち着きのないタイプ」と自己分析する。初めての東京ドームでは複雑な通路に迷子になり、球団職員に助けを求めた。幼稚園時代、家族と訪れたユニバーサル・スタジオ・ジャパンで兄と2人で歩数計をつけて1日を過ごした。2人で同じアトラクションを巡ったはずなのに、歩数は兄が5万歩で、畠が10万歩だった。超活動的な性格が、マウンド上では頼もしい姿へと変わる。

 初の中5日も乗り越えた。菅野から「あんまり考えすぎることはない。次の登板に合わせるだけ」と助言をもらい気が楽になった。被安打5も1失点でしのぎ「調子はバラバラでしたが抜いた球は打たれる。自分は何かを変えることはできない。とにかく、いい球を低くと心がけました」と自身4連勝をつかみ取った。

 夏場から台頭したルーキーの好投で約3カ月ぶりのAクラスを視界に捉えた。高橋監督は「明日、勝って一気にいきたい」。0・5差で迎える今日3日の第3戦は中4日のマイコラス。12球団で唯一、CS進出を逃したことがない巨人が、まずは最低限の“定位置”を奪い返す。【松本岳志】

 ▼巨人が3位DeNAと0・5ゲーム差に迫った。両チームは7月26日時点で最大7ゲーム差あったが、同27日以降はDeNAの13勝16敗1分けに対して巨人が20勝10敗。この間、両チームの直接対決は巨人の7勝0敗で、直接対決以外は巨人13勝10敗、DeNA13勝9敗1分けとほぼ互角。巨人が直接対決7連勝で一気に差を詰めてきた。

 ▼CSは07年から始まったが、昨年までの10年間で出場回数の多い順に出すと、(1)巨人10回(2)日本ハム、ソフトバンク8回(4)中日、阪神6回。両リーグで巨人だけが初年度から10回連続で出場している。