巨人田口、堀内&桑田の記録挑む 連続中5日も快諾

舌を出してキャッチボールする巨人田口(撮影・山崎安昭)

 CS進出を引き寄せる貯金王に、俺はなる! 巨人田口麗斗投手(21)が、チームのために今季13勝目と自身9連勝に挑む。4日のジャイアンツ球場での調整から、6日の中日戦(前橋)に先発することが濃厚となった。現在は12勝2敗の貯金10。巨人の22歳以下で貯金10以上を記録した投手は、67年の堀内(12勝2敗)までさかのぼる。大記録で、5月29日以来のAクラス再浮上に弾みをつける。

 身長170センチと小柄な若き左腕が、半世紀ぶりに巨人の歴史を刻もうとしている。先発練習に臨んだ田口は、遠投、ダッシュなどで2日後に向けた臨戦態勢を整えた。「ここからは厳しい戦いが続くので、責任がある。チームは大変な位置にいる。力になれるようにしっかり投げたいです」と、最速での3位再浮上がかかる次回登板をにらんだ。

 球団史に残る快進撃を続けている。6月17日のロッテ戦から11試合で負けなしの8連勝中。勝利した8戦は全て6回3失点以内のクオリティースタートと、抜群の安定感で自身の貯金を10にまで伸ばした。大先輩の堀内氏が、高卒2年目の50年前に12勝2敗の好成績を残した事実は把握していない。それでも「貯金をつくれるピッチャーがいいピッチャーと言われますよね」と、その重要性は身に染みている。22歳以下の9連勝なら球団では87年の桑田以来。13勝目なら最優秀勝率投手の表彰対象となり、現時点で勝率8割5分7厘の田口はタイトルの最有力候補に躍り出る。

 フォア・ザ・チームの精神が貯金を呼ぶ。マウンド上では「自分のことばかりを考えないようにしています。チームが勝つための投球をすることが、結果的に自分の勝ちになって返ってくる」と信念がある。捕手の返球を受けたらすぐに投球し、フォアボールも少ないテンポの良さが特徴の1つ。ピンチも最少失点で切り抜ける、守りのリズムが攻撃に好循環をもたらす。

 自身初となる2週連続の中5日も快諾した。「先発投手は、いつも5日から6日くらいの時間をもらっている。その時間を濃いものにしなくては、毎日戦っている野手やリリーフの方に申し訳ないですから」。菅野、マイコラスと先発を支える若き左のエースが、全力でチームを上位に引っ張り上げる。【松本岳志】

 ◆田口の貯金 14日で22歳になる田口は、ここまで12勝2敗で貯金(勝ち越し)10。2桁貯金で終えると、22歳以下では15年大谷(日本ハム=21歳で15勝5敗)以来。巨人では67年堀内(19歳で12勝2敗)以来50年ぶりとなる。勝率8割5分7厘はリーグトップ。最高勝率の規定は13勝以上が条件で、あと1勝すればタイトルの権利を得る。