阪神3戦連続逆転負け チーム勝ち頭秋山でも勝てず

5回裏広島1死一、三塁、秋山(中央)は松山の同点犠飛を浴びて落胆する(撮影・宮崎幸一)

<広島6-4阪神>◇7日◇マツダスタジアム

 虎が敵地マツダスタジアムで3試合連続、コイに屈してしまった。チーム勝ち頭(12勝)の秋山拓巳投手(26)を先発に立てた試合だったが、まさかの逆転負け。広島にすべて逆転で3連戦3連敗を喫し連敗が4に。広島に9・5ゲーム差となりコイの優勝マジックは8。今日8日から本拠地甲子園で立て直すしかない。

 最後の「砦(とりで)」もあえなく陥落した。2点リードの5回だ。秋山が広島打線にのまれた。安部、西川に連続タイムリーを浴びるなど4失点。一気に試合をひっくり返された。「カウントを作れても、そこから見送られて、並行カウントになって、苦しくなって、辛抱してしまう投球だった」。広島とは今季初対決。今季はエース級の活躍を見せてきただけに、連敗ストップを期待したが、結果は5回6失点。6月27日の中日戦以来となる5敗目。自身の連勝は「6」で止まった。

 広島戦の同一カード3連敗は今季初めてだ。1、2戦目はチームを支えてきたリリーフ陣が持ちこたえられなかった。この日は12勝の秋山が打ち込まれた。相手打線の勢いはどうにも止まらなかった。金本監督は言った。「勢いと流れに勝るチーム力がなかった。そういうこと。あれだけ強風が向こうに吹けば…。そういう3連戦だった」。広島は主催試合で45勝17敗1分けと圧倒的な勝率を誇る。敵地で一矢報いることはできなかった。

 3連勝ならば、逆転優勝に希望をつなげた。それがまさかの3戦全敗。優勝へのマジックは「8」にまで減らされた。リーグ制覇はもはや絶望的な状況だ。それでも指揮官は嘆かなかった。「去年とは明らかに変わっている。選手も力の差はあるが、明らかに力がついているとは思う。まだシーズンは終わったわけじゃないが、自信にしてほしい」。昨年、完敗した相手に、互角の戦いに持ち込んだ。大山、中谷といった若虎が主軸を担って。チーム力の向上には、手応えをつかんでいる。

 今日8日からは本拠地で3位DeNAとの3連戦が待っている。3・5ゲーム差をつけており、2位の座を死守する必要がある。「僕は(ズルズル)いかないと思う。いってはいけない。それは絶対に」。指揮官は語気を強めた。シーズンは残り19試合、ポストシーズンもある。広島との「差」をいかに詰めるか。まだ終戦の時は迎えていない。【田口真一郎】

 ▼阪神の同一カード3連戦3連敗は、6月27~29日中日戦以来、今季2度目。広島戦に限ると、16年7月8~10日以来。同年はこれを含み、このカードで9連敗していた。