阪神掛布2軍監督ラストは甲子園、異例の開催変更

ウエスタン・リーグ阪神対ソフトバンク 選手交代を告げ、声援に手を上げて応える掛布2軍監督(撮影・河南真一)

 阪神が、今月27、28日に鳴尾浜球場で予定しているウエスタン・リーグ広島戦を甲子園開催に変更する方向で調整していることが11日、分かった。今季限りで退任する掛布雅之2軍監督(62)が指揮を執る最後のカードになるため、ファンが殺到することが予想される。より多くの虎党に背番号31を見てもらうために、異例の会場変更に動いた。

 最後の舞台はやはり聖地になる。阪神はウエスタン最終カードとなる広島戦(鳴尾浜)の開催を甲子園に変更する方向で調整していた。対象となるのは、27日と最終戦の28日。異例の会場変更に動いた理由は明白だ。掛布2軍監督が今季限りで退任。より多くのファンに最後の勇姿を見てもらうためだ。四藤球団社長はこの日、兵庫県西宮市の球団事務所で取材に応じた。

 「鳴尾浜では狭いので、ファンの方に申し訳ない。最後なので、甲子園なら、たくさん来ていただける。球場も前向きに協力してもらえるということなので」

 調整が完了すれば、正式にNPB側に申請する予定だ。退任を発表した10日には、鳴尾浜球場に大勢のファンが詰めかけた。収容人数は約500人。午後0時半の開始ながら、史上最速となる午前10時5分に入場規制がかかった。最終戦では背番号31のユニホーム姿を一目見ようと、虎党が殺到することは確実。これに対応するために、球団は素早く動いた。

 最終戦だけの変更では雨天中止の可能性もあるため、前日27日との2試合を変更する配慮も見せた。通常の甲子園開催と同様に有料試合の予定。内野席を開放するが、状況次第でアルプス席などエリアの拡大も視野に入れる。最終戦では、掛布2軍監督がファンに感謝のスピーチを行うことも検討していく。

 昨年、甲子園開催の2軍戦で1万人を超える観客を集めた実績がある。最終戦でどれだけのファンが席を埋めるか、想像がつかない。

 ◆引退試合も甲子園 88年10月10日、甲子園でのヤクルトとのダブルヘッダー第2試合に「4番・三塁」で先発出場。3打数無安打で迎えた第4打席は四球で、これが現役最後の打席となった。試合後はファンの「カケフ・コール」の中、花束を手に場内を1周し、ナインの手で胴上げ。セレモニーで「15年間の長い間、ご声援、本当にありがとうございました」とあいさつした。