日本ハム大谷が右足首手術へ 米挑戦へ完全体になる

ロッテ戦の試合前練習で、投球フォームを確認しながら引き揚げる大谷(撮影・黒川智章)

 日本ハム大谷翔平投手(23)が今季終了後に右足首の手術を行うことが13日、分かった。今春ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)不参加の要因となった負傷箇所で、慢性的な痛みを抱えていた。現状でもプレーは可能だが、不安を取り除くことを決断したもよう。今オフ、ポスティングシステムを利用してメジャーに挑戦する意思も固めたことも分かり、万全のボディーで海を渡る。

 大谷が右足首にメスを入れ、海を渡る。今シーズン終了後、速やかに手術することが分かった。前日12日に投手として今季初勝利を挙げ、野手としても8月は月間打率3割8分9厘をマークするなど、現状でも投打でプレーは可能な状態。だが、患部に痛みを引き起こす骨棘(こっきょく)は残ったままであり、不安を取り除くことになった。

 負傷したのは昨年10月の日本シリーズだった。一塁ベースを駆け抜けた際に、患部をひねったことが発端。昨オフは通院しながら回復を図ったが、思うように状態は上がらなかった。今春キャンプは別メニュー調整が続き、参加予定だった第4回WBCに出場できなかった。今季開幕には野手として先発したが、4月8日オリックス戦で今度は左太もも裏の肉離れを発症。約2カ月半、戦列を離れた。

 ただ、今季のプレーのためシーズン中の手術は回避してきた。患部の骨棘を取り除けば術後約2~3カ月で復帰できる見通し。10月中に行えば完治した状態で来春キャンプを迎えることも可能になる。

 今オフにポスティング制度を利用して、メジャー移籍する決意を固めたことも、分かった。今季がプロ5年目で、1軍での登録が9シーズン必要な海外フリーエージェント(FA)権の資格は満たしておらず、移籍するためには同制度を利用する必要がある。日本一も達成した昨オフの契約更改時に、球団から容認されていた。その際には「僕が(メジャーに)行きたいということに関しては球団も知っていることで、今日正式に、自分の気持ちを優先させてもらえるという話をいただいた」と、うれしそうに語っていた。

 ポスティング制度は日本野球機構(NPB)と米大リーグ機構(MLB)が改正を協議中。関係者によると同制度を含め、日米間の選手の移動について包括的に交渉中で、日本シリーズ終了までには合意に達する見通し。新たな制度を活用し、新天地に飛び立つ。

 今季初勝利から一夜明けたこの日は、ベンチ外だった。6回終了後に球場を後にした時、報道陣に囲まれたが「すいません」とだけ話しただけだった。岩手・花巻東3年だった12年ドラフト前には「どういうふうになっても米国に行きたい気持ちが強い」と真っすぐな気持ちを表明していた。日本ハムで「二刀流」という挑戦を続けてきた大谷が、新たな挑戦を決断した。

 ◆大谷の右足首負傷 昨年10月26日の日本シリーズ第4戦、8回の第4打席で二遊間への遊ゴロを放った際、一塁へ駆け込み右足でベースを踏んだときにひねった。同年11月11日の侍ジャパン強化試合メキシコ戦で再発し、足首の三角骨と骨棘の問題により、痛みを感じる症状が続いていた。