広島M1、あすセパ同日Vか 赤松&鈴木も球場へ

この日の胴上げがなくなり、グラウンドに姿を見せた赤松(中央)は、松山(右)と菊池に両手を上げられる(撮影・上田博志)

 コイ焦がれていた連覇の瞬間は、持ち越された。広島はDeNAに勝ったが、阪神が巨人と引き分けたためマジック1。V決定は明日16日以降となった。

 ベンチで待っていたナインだけでなく、球場には胃がんから復活を目指す赤松や、右足を骨折して戦線を離脱している主砲・鈴木もかけつけ“そのとき”を待ったがお預け。赤松はにこやかな表情で「焦らしてくれてありがとう。何回も味わえますからね」とらしいコメント。この日は、昨季リーグ優勝した記念のエンブレムが入ったユニホームを、初めて着て待機した。「僕が来ても温かく迎えてくれるのはうれしい。スタンドの声援はありがたかったです」とファンにも感謝した。

 Vを待ちわびるあまり、想定外の「アクシデント」も起こった。4-4の8回から今村が登板。連打と四球で無死満塁の大ピンチを背負い「考えても仕方ない」と開き直って2死までこぎつけた時だった。倉本と相対していると、何やらスタンドがザワザワ。スマホなどで阪神が同点に追いつかれたことを知った広島ファンが、地元胴上げを期待し出した、ざわめきだった。今村はいったんタイムをかけて間を取り、倉本を遊直に仕留め無失点で切り抜けた。「何が起きたんだろうと。でも結構ああいうことはあるので、気にせずに投げました」と冷静に対応。ピンチの後にバティスタの決勝犠飛が生まれた。

 いよいよマジック1。奇しくもパ・リーグのソフトバンクと並んで王手をかけ、あす勝てばV2が決まる。赤松は「優勝は地元でしてほしい。なかなかないことなので」とマツダスタジアムでの胴上げを熱望。もちろん、16日も鈴木とともに球場に来る。今度こそ“その瞬間”を見届けるつもりだ。【高垣誠】

 ▼広島、ソフトバンクがともにM1となり、最短Vは16日。両リーグ同時優勝は58年が最後だが、もう少しで同時Vのケースとしては93年や98年がある。98年は横浜と西武が10月6日にM2。7日に同時Vの可能性が出たが、西武は7日に優勝を決めたが、7日の横浜は降雨中止で、M対象の中日が敗れM1に。横浜のV決定は8日だった。93年は西武が10月3日にM1としたが、4日から●△●●●で足踏み。この間、ヤクルトが11連勝し、11日にヤクルト、西武の両チームがM1で並んだ。12日は両チームとも試合がなく、13日同時Vの可能性があったが、結果はヤクルト●、西武○で同時優勝はならなかった。今回の「両リーグM1」は93年以来、24年ぶりになる。

 ◆過去のセパ同日V 広島、ソフトバンクはともに最短Vが16日。両リーグとも同じ日に優勝が決まると、51年9月23日(巨人、南海)54年10月19日(中日、西鉄)58年10月2日(巨人、西鉄)に次いで59年ぶり4度目となる。なお51年は、日米野球のため日程打ち切りが発表され、ともに優勝が決まった。また、パの前後期制時代を含めると81年9月23日に日本ハムの後期優勝と巨人のリーグVが重なった例がある。

 ◆同率なら広島V 16日に広島●、阪神△の場合、ともに83勝56敗4分けで終える可能性はあるが、広島の優勝が確定する。勝率、勝利数が並べば、規定により直接対決で勝ち越した広島がVとなる。