ソフトバンク柳田右脇腹痛め病院「診断待って」監督

日本ハム対ソフトバンク 2回表ソフトバンク無死、フルスイングし負傷する柳田(撮影・黒川智章)

 ソフトバンクが日本ハムを下し90勝に到達した。工藤公康監督(54)にとって監督1年目の15年以来2年ぶりの90勝で、監督3年目までに2度はプロ野球初の快挙。だが、この試合で、内川の離脱後、4番を任されてきた柳田悠岐外野手(28)が右脇腹を痛めて途中交代。中継ぎ左腕モイネロが左肘の張りで登録を抹消されたばかりで、クライマックスシリーズ(CS)、日本シリーズに向け、不安を抱えることになった。

 球団タイ記録のシーズン90勝目も、素直に喜ぶことはできなかった。2回の第1打席、柳田は1ボールからの2球目をファウルにした後、右脇腹付近を押さえ、右腕を回した。続く3球目のファウルの際にも右脇腹辺りを気にした。フルカウントから空振り三振を喫すると、2回裏の守備からベンチに下がり、アイシング治療を受けた。試合後は球団広報を通じ「しゃべる気分じゃない」とだけコメント。黙ってバスに乗り込んだ。今日21日に病院で検査を受ける。

 工藤監督は「(2回の打席後)ちょっと難しいと言っていた。(対応は)診断を待ってからになる。明日病院に行って状態も分かると思うんで」と、心配そうな表情を浮かべた。チームは優勝が決まった2日後の18日にモイネロが左肘の張りを訴えて緊急降板。翌19日に登録を抹消されたばかり。柳田も離脱となれば、大きな痛手だ。

 不安は柳田だけではない。5番デスパイネも2打席目の5回、打席で右足を気にするそぶりを見せた。7回の3打席目に塚田と交代。病院には行かない予定だが「下半身に疲れがある」といい、指揮官も「膝ですね。打席の中で何となくおかしかった。今日は嫌な感じがしたので代えた。明日様子を聞かせてもらいたい」と、顔をしかめた。

 残り10試合。工藤監督は「CSに向けていいコンディションでとにかく勝つために最善を尽くす」と話したが、けが人続出はCS、日本シリーズに向け、不安を募らせる。【福岡吉央】

 ▼ソフトバンクが90勝に到達。90勝以上は工藤監督1年目の15年ソフトバンクが90勝して以来12度目。90勝以上を2度記録した監督は54~56年三原監督(西鉄=3度)54~56年山本(鶴岡)監督(南海=3度)に次いで3人目となり、監督3年目までに2度は工藤監督が初めて。