広島は即戦力投手軸、広陵・中村の名も/セの清宮評

7月28日、八王子学園八王子戦で打球をジャンプして捕球する一塁手清宮幸太郎

 早実(西東京)は21日、史上最多の高校通算111本塁打を誇る清宮幸太郎内野手(3年)が今日22日に進路表明の会見を開くことを発表した。プロ志望届を提出する意思を表明するとみられる。清宮はこの日、早実グラウンドに姿は現さず、学校で授業などを受けたとみられる。現状、清宮獲得の撤退を明らかにした球団はなく、12球団がトップランクの評価は変わらず。89年の野茂英雄ら最多8球団の競合を超える可能性も考えられ、「清宮ドラフト」になりそうだ。

<セ・リーグ6球団の清宮評価>

 ▼広島は清宮を高く評価しているものの、ドラフト1位は即戦力投手が軸。地元広陵・中村奨成捕手(3年)の名前も挙がっている。

 ▼阪神は不退転の決意で清宮の1位指名を敢行する。スター選手の獲得を待望しており、プロ入りを表明した場合に1位指名する方針を21日までに固めた。複数球団による競合は確実だが、3年連続の野手1位指名を辞さない姿勢だ。

 ▼DeNAは清宮を早くから「特Aランク」に別格視し、プロ志望届を提出した際は1位指名する方針を固めている。4年連続で大卒・社会人の投手を指名している中で、基本方針を覆すほど能力を認めている。横浜高からドラフト1位指名した筒香を、侍ジャパンの4番にまで育て上げた実績があり、大きなアピールポイントとなりそうだ。

 ▼巨人は12人前後いるAランク選手の中でも早い段階から清宮を最上位の軸に据えている。若手の大砲候補が育っておらず、世代交代の必要性も急務で補強ポイントと完全に合致。競合は必至の情勢だが、松井、高橋、阿部に続く逸材として注視しており、争奪戦に参戦する可能性は高い。

 ▼中日は清宮を1位筆頭候補としている。中田スカウト部長は「何年に1度しか出ない打者。最優先したい」と話し、白井オーナーも獲得を厳命している。

 ▼ヤクルトは清宮を1位候補として評価する。衣笠球団社長は「ほしい選手の1人であることは間違いない。編成会議で意思統一する。(競合球団の)最多を更新するんじゃないか」とした。チームに左の大砲は不在。人気と実力を備えた逸材を抽選覚悟で狙う。